第1章2話:武器の錬成

――――錬金術師は弱い。


これから旅をするにあたって、戦うすべがあったほうがいい。


というわけで。


(とりあえず武器を作ってみよう)


そう考えた俺は、ひとまず街道から離れる。


近くにあった雑木林ぞうきばやしの手前まで来る。


そこで俺は錬金術をおこなうことにした。


作るのは拳銃。


まず必要素材を確認する。


必要素材は【素材参照そざいさんしょう】というスキルで確認できる。


素材参照スキルを使うと、以下のウインドウが表示された。





◆◆◆

【拳銃の必要素材】


・デール鉱石x15

・火魔石x10


◆◆◆





よし。


アイテムボックスから必要素材―――デール鉱石と火魔石を取り出す。


草のうえに並べた。


さっそく錬成をおこなう。


「おお……」


ほとんど一瞬で錬成することができた。


スキル【即時錬成そくじれんせい】のおかげだ。


こんなに早く錬成できるなんてチートだよな。


まあ、とにかく拳銃の完成だ。


「弾も作らないとな」


同様の手順で銃弾も作る。


できあがった弾丸を装填そうてんする。


雑木林の木に拳銃を向ける。


深呼吸をして――――


発砲。


スキル【命中補正めいちゅうほせい】のおかげで、狙った位置に弾丸が命中した。


樹木に穴が空く。


「うん、拳銃だ」


本物の拳銃を錬成できたことを、俺は喜ぶ。


さらに。


錬成をおこない……


散弾銃やマシンガン、ライフルなども作った。


最後に。


自分を中心とした半径100メートルに電撃を発生させる【電撃爆弾でんげきばくだん】も作る。


ちなみに俺自身は【電撃無効スキル】があるので、この爆弾によってうっかり感電することはない。


自爆しても、敵だけを感電させることになるだろう。


「こんなものかな」


これだけ作っておけば、魔物や盗賊に襲われても対処できるだろう。


安心した俺は、電撃爆弾をアイテムボックスに放り込んで、立ち上がる。


街道に戻り、国外追放の旅を再開するのだった。

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