底辺のおっさん錬金術師、ギルドに罪をなすりつけられ、国外追放される。しかし、そのあと前世の記憶を思い出し、最強の錬金術も覚えたので、のんびりと異世界を生きていく。

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

第1章

第1章1話:追放と転生

俺の名前はフロド。


年齢36歳のオッサンだ。


茶髪。


黄色い瞳。


真紅のローブ。


……という見た目である。







俺の適性職は【錬金術師】だ。


しかし、適性があっても才能があるわけではなかった。


底辺だった。


それでも俺は錬金術が好きで、なんとか錬金術師として食っていこうと努力した。


ある日。


俺はとある有名な【戦士ギルド】に、雇われることになった。


錬金術によってポーションづくりや武具の整備をしてほしい……とのことだった。


嬉しかった。


夢が叶ったと思った。


だが。


それはわなだった。


―――――実は、そのギルドでは、裏でさまざまな不正や汚職がおこなわれていた。


その罪を、ギルドは、なんと俺に全てなすりつけたのだ。


結果、俺は裁判で有罪判決を受け、国外追放を言い渡された。


みじめだった。


もう死んでしまいたいと思った。


そうしてふらふらと、国外へと続く街道を歩いていたとき。


ふと俺は――――思い出した。


ここがゲームの世界であることを。


そして俺は、日本からやってきた転生者であることを。


(そうだ。ここはイフディアクロニクルの世界じゃないか)


超人気のVRMMORPG――――イフディアクロニクル。


俺が前世でハマっていたゲーム。


恋人も友人も家族もいない、天涯孤独てんがいこどくだった前世。


そんな俺が、心のいやしとして熱中していたVRゲームだった。


(そして……俺は異世界転生したのか)


前世の記憶と、フロドとして生きた36年間の記憶が混ざり合う。


俺は歓喜した。


なぜなら、イフディアクロニクルの知識が全て、頭の中に入っているからだ。


すごい。


この知識があれば、なんでもできるぞ。


(ステータスとか確認できないだろうか)


と思ったので、ステータスオープンと唱える。


するとステータス画面があらわれる。


(おお、できるできる)


パラメータは……しょぼい。


ただアイテム画面を開くと、ゲームで取得したアイテムが全て入っていた。


それからスキル画面を開くと、錬金術師として必要なあらゆるスキルが揃っていた。


どうやら、転生の記憶を思い出すと同時に、ゲームデータががれたらしい。


(すげーな。これだけのアイテムとスキルがあれば、なんだって作れるぞ!)


俺は興奮した。


今までずっと底辺の錬金術師だった。


でも、今日から俺は、変われるんじゃないだろうか?


そんな期待でいっぱいになった。







――――――――――――――――――――

おしらせ:

作者は、本作の他にも男主人公の異世界ファンタジーを執筆しています!

よろしければ、こちらもお読みください!

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【島と海ばかりの異世界に、貴族令息として転生。ハズレスキルだったので追放されたけど、島で魚料理の店を開いたら大人気になったので、ヒロインとハーレムしながら異世界を満喫します】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073452500672






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