第3話 なにがなんやら

ボコボコに殴られたボクは静かに落ち込む。


ボトン。


何かが降ってくる。


「なんだろ」


ボクはゆっくりとそのなにかに近づく。


「え……」


ボクの思考が追いつかない。

その何かとは、ズタズタに切り裂かれたボクの父親だったからだ。


ボトン。ボトン。


「今度は何……?」


首と体が離れたボクの母親だった。


「お母さん……?」


「……」


母は何も答えない。


「逃げろ……」


父親が小さく言った。


「お父さ―――」


ドン!


その音と共に男が降ってきた。


「誰?」


「疾風のハヤテさ」


ハヤテはそう言ってボクに向けてナイフを投げた。


ボクはそれを避ける。


「なに?」


「終わらないよ」


ハヤテが笑うとナイフがボクに向かって襲ってくる。


「オートアタッカー。

 4歳の君にでもわかるように言うと狙った標的は死ぬまで襲ってくる」


ハヤテがそう解説して小さく笑う。

でも、ボクはそのナイフを避けるだけで精一杯で聞いていない。


「一本でそんなに必死なら二本ならどうなるかな?」


ハヤテは二本目のナイフを投げた。

ナイフはボクに命中した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

電子妖精エレメントドール はらぺこおねこ。 @onekosan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ