第2話 苛められっ子世に残る

天使は名乗らない。

そのまま全ての世界の生命に語りかけた。


「我らはテオス。

 全てなる生命に次ぐ。

 我らが神に全てを捧げよ」


人々は恐怖した。

その声に恐怖した。


犬も猫を含む動物。

そして全てなる人。


死を覚悟し発狂するモノもいた。


ただひとり。

ただひとりを除いては……


少年の名前は黄昏たそがれボク。

どこにでもいる苛められっ子だ。

年齢は4歳。


今日も他の子供達に石を投げられ泣いていた。

だけど、周りの人間は泣き叫び発狂する。


でも、ボクは違った。


「どうしたの?」


ボクは恐る恐る尋ねた。


「聞こえなかったのかよ……」


「10円ガムでも捧げとけばいいんじゃないかな」


ボクは空気が読めない。

それがイジメを加速させる原因でもあった。

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