4章-4【絆4】

僕達の最後の地を北海道って決めた時から僕の中にはその名前が浮かんでいた。

『神居古潭』おそらくなにかの漫画かアニメかで知っていたと思うその名前をルナと話している時にふと口にした。

ルナは興味を持ちだったらそこにしようとその場所が決まるのにそう時間は掛からなかった。

とは行ってもどんな所で何があるのかも分からなかったから予備知識としてネットで調べる事にした。

北海道の旭川の近くにある石狩川にその地あるらしいネットで見る限りではちょっとした渓谷になっており観光地でもあるようだった。

この時期には雪でその渓谷は覆われており

長くいると凍死にもなるだろう

近くに川もあるので温度は更に下がるだろうから僕達の目的の為には最適にも思えた。


僕達は札幌を出でそこを目指した。

有料道路を通って行ってもそれなりに時間はかかるだろう

ましてや僕の運転では尚更だ

目的の地に行くまでに事故等起こすのも嫌なので僕は十分速度を落として走るつもりだ。

今日はとりあえずの下見みたいな感じだ。

結構は明日の夕暮れ以降夜になるだろう

その方が人目にもつかないので都合がいい

今日は旭川市に取ってあるホテルで泊まる予定だ。

およそ3時間ほど車で移動しようやく神居古潭に到着した。

観光地になっているだけあって近くまでくると分かりやすかったしなにより駐車場が広かった。

余裕で車を駐車し僕たちは外に出て周りを見てみることにした。

ネットで見た通り周りは綺麗で山があり谷があり渓谷になっていた。

橋もありそこから下を覗けば川が見えた。

見る限り川の近くに行くには雪せいで苦労しそうではあった。

特に夜中になれば明かりも無いから足元がおぼつかずこけてしまいそうになるのではないかとも考えたが

今から死にゆく者がそんな細かいことを気にしても仕方ないかとも思った。

ルナはその地を見て

「すごく綺麗ね、ここが私達の最後の地なのね」

そういい目を輝かせていた。

「でも熊が出るみたいな看板がさっきあったけど?」

「これだけ自然が残っていたら出る可能性もるかもね

でも僕たちが逝ったあとなら出てきても全然いいよ」

と僕は答えた。

「それもそうね」

とルナも同意した。

僕達は暫くそこにいた、ただ景色を眺め目に焼き付けるかのように

日もだいぶ落ち始め気温も更に低くなってきていた。

ルナは寒くなったのか体を震わせていたので僕はルナの手を握った。

凄く冷たくて凍っているように冷えていた。

「そろそろ行こうか?」

僕は聞く

「うん、そうだね」

と答える。

旭川市のホテルを予約してある。

少しいいホテル、食事や施設も充実していた

部屋もその中でもかなりいい部屋を取った

同じ部屋だがもちろんベッドは二つある部屋だ

元々は別々の部屋を取る予定だったのだがルナが同じ部屋にしようよと言ったので

最後の夜を二人で沢山お話して過ごしたいと彼女は言った。

僕達はそのホテルに向かった。

ホテルは外観もかなり綺麗だったが中も豪華に飾り付けがされており

高級感が漂っていた。

受付にいって予約の名前を言うとすぐに対応してくれて

僕達は特に荷物も多くなかったのだが部屋までホテルマンが案内してくれた。

部屋の中はもっと凄かった。

二人で過ごすには広すぎる部屋、部屋自体が上階にあり窓から見える景色も凄かった。

お風呂も僕の家のお風呂に比べたら倍ぐらいはあり浴室にはテレビが見れるようになっていたり

別室で簡易サウナ等も設置されていた。

僕は確認の為、寝室を覗くちゃんとベッドが二つ並んでおりほっと胸をなでおろす気分だった。

それに気づいたのか気づかないのか分からないがルナは

「別に一つでもよかったのに」

といたずら好きの女の子みたいな顔して僕に言う

僕はそれには答えず窓に近づき窓をあけた。

窓の外はちょっとしたテラスになってあり出られるようになっている。

そこに出て

「見てみなよ?

凄く綺麗だよ」

そう答えるのがやっとだ。

内心はどきどきしていた。

ルナはそっと横に来て

「ほんとね

連れてきてくれてありがとう」

といい僕の手を握った。

僕達はホテルの中にあるレストランに行き食事をすることにした。

みるからに高級そうなレストランで普段なら絶対入らない部類の物だ。

メニューをみてもどれも美味しそうでこれが最後の晩御飯になるんだろうなと考えながら

「好きなの注文してね、お金は問題ないから」

とルナに言った。

「うん、わかった」

とルナもいい二人はかなり豪勢な食事をした。

食事の後は少しホテル内を散策する事にした。

特に買うわけでもないけどお土産物をみたり、ホテル内にあるアーケードで少し遊んだり等して

時間を過ごした。

そして人が少なくなってきたので僕達も部屋に戻ることにした。

部屋に戻り部屋の大きなソファにすわりテレビをつけくつろぐのでは無く

持ってきた荷物を広げルナと明日の事を話すのだった。

って言っても僕が持ってきた物は睡眠導入剤、ロープぐらいなものだ。

睡眠導入剤所謂眠剤は市販のものでは無く処方されないと貰えない物で

事前にネットで売ってくれる人を探して売ってもらっていた。

どれが聞くのとか良く分からないので何種類か用意して貰い合わせて100錠程は準備しておいた。

ロープは二人が離れてしまわないように二人を結ぶ為なので10メートル程のロープをネットで購入しておいた。

登山とかに使用する上部目のロープにした。

後はアルコールだがそれは別にどこでも買えるだろうから心配する必要はない

今日現地をみた感じだと夜は真暗になりそうだから懐中電灯ぐらいは必要かもしれない。

それらを広げルナに

「明日は昼ぐらいにチェックアウトしないといけないからそれまでに起きて出ないとね

決行するのは夜になるだろうから、日中は時間あるからどこか行きたい所あれば連れて行くよ?」

ルナは少し考えて

「特には無いかな?セイヤに任せるよ」

「わかったよ」

それから最後の時を迎える説明をした。

「よるその場所に行きまずロープで二人を固定する、

それからアルコールと大量の薬を飲む、その後眠くなるのか意識が朦朧としてくるのかは

分からないけど、そのまま意識が落ちればもう目覚める事はないと思う」

同時に逝くことは難しいだろし少しの誤差はあるだろうけど一緒の逝く事には変わりないはずだ

ルナは僕の目を見て頷きそして僕に抱き着いてきた、そして耳元で

「セイヤ本当にありがとう、私に付き合ってくれて」

と言った。

僕は

「違うよ、僕達が出会った事は偶然かもしれないけど

それから色色な選択をして今ここにいる

それはもう必然なんだよ」

と言った。

ルナはうんと言いながらもないているのか僕から離れなかった。

ぼくはそのままルナを抱きしめてい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る