4章-3【絆3】



僕達は飛行機に乗り込んだ。

席は隣同士で窓際にルナを座らせた。

2人共飛行機は始めててで少し緊張している

ルナは

「これが落ちたりしないよね?」

等と不安を言うのと

「それで終わりもまぁ悪くは無いかな」

なんて冗談も言った。

僕は

「それはそれで沢山の人を巻き込んでしまよ?」

なんて軽口で返したりしていた。

一見周りからすると恋人同士の旅行にしか見えないのだろうと考えた。

まさかこの2人が終着の地を求めて旅立つとは誰も思わないのだ。

間もなく飛行機が飛びたった。

このフワって来る感じは絶叫マシンに似ているとも思った。

北海道まで1時間程で着く

着いたら空港近くのレンタカー屋予約を入れてるのでそこで車を借りる予定だった。

僕は少し不安でもあった何分運転するなんていつぐらいぶりだろう?

免許は18の時に取っていた。

しかし運転したのなんてほんの数回程度だ

そもそも家に出ることがない僕には車なんて必要なかったからだ。

1時間なんてあっという間でルナとたわいの無い話をしているともう着陸のアナウンスがなった。

「もうつくのね?なんかドキドキするね」

とルナは何やら楽しそうにも見えた。

僕はこれからの運転で不安なのに…

ほぼ時間通りに新千歳空港に到着した。

そのまま出口に進み目的のレンタカー屋を目指す。

レンタカー屋は空港敷地内の中にありとても便利だった。

僕が予約し車は軽自動車だった。

正直普通車とか運転する自身もないし何より二人で移動するのにhそれで十分だと思ったからだ。

行けば直ぐに手続きをしてくれた。

レンタカーも予約を入れているのは今日から1週間だ

そこまでの日程は必要ないのだがそれで発見や捜索が遅れてくれる事も

考えそうした。

借りても返せなくなるので正直申し訳なくも思っている。

車がここに戻ってくるときは僕たちはもうこの世に居ないはずだから。

車を無事借りることが出来て僕達は札幌に向かった僕のおぼつかない運転で

あまりにも僕が緊張していて周りを気にしすぎているのでルナは

「大丈夫?ゆっくりでいいからね」

と優しく声をかけてくれる。

「だ、大丈夫だよ」

と虚勢をはるのが精一杯だった。

この時期の北海道はまだ雪が残っておりチラチラ降っていたりもする。

雪に慣れていない僕達にはそれは凄く綺麗なものに感じた。

ルナは少し車の窓を開けて降ってくる雪をさわり

「つめたっ」等といっている。

僕は横目にそれを見ていて微笑ましく思った。

予想以上の時間がかかり何とか札幌についた。

僕達は札幌駅近くの駐車場に車を停め少し観光をしようと考えた。

また車を駐車するだけでもひと騒動あった。

狭い駐車場ででもほぼ満車の状態でスペースが僕が停める1台分しかなかった。

周りの停めやすそうな広い駐車場は全て満杯でもうここしか空きがなかったのだ

僕はその狭い駐車スペースを何回も切り返すは、後ろや横の間隔がわからないから

他の車にぶつけそうになるは、挙句には降りて後ろを見ていてくれているルナを轢きそうににもなった。

駐車するだけで約10分もかかっていた。

僕はこの時点でもう仕事をやり切った気分でいた。

札幌市内では『ボーイズビーアンビシャス』で有名なクラーク博士の像や時計台等の有名な観光地等を巡り、少しお腹が空いたので二人で決めてラーメンを食べる事にした。

北海道での食べ物といえば海鮮かラーメンって思っている人は少なくないはず

勝手にそう解釈していた。

ラーメンを食べ心も体も温まった僕らは次の目的地を目指した。

そう僕達最後の地、旭川にあるアイヌ語で『神の住まわる地』の意味を持つ

神居古潭を目指して。

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