3章-3【実行3】

約束の日まで1ヶ月を切った

僕はまた家から出る事が殆ど無くなった

それはお金が目標よりもいったからもう働く必要が無いからだ。

でも親達は言う

「最近またどうしたの?

あんなに頑張ってたのに

何か生きがいでも見つけたかと思ってたのに」

やっぱりこの人達は何も分かっていない

だから僕は

「あ〜もういいやだよ」

とだけ答えた。

どうせ説明しても伝わないし意味が無い

根本的に勘違いをしている

死ぬ為にやるべき事をやっていただけ

普通に生きて来た人達にわかるわけが無いのだが

必要な物を買っていっていた。

大量の薬、ロープ、道具としてはそんなもの

あとは移動費等最後の日を過ごす場所代等に使ったりする

僕達はあの時色々話し合った。

ルナもどうやって死にたいとかはあんまり考えてるなかったらしい

ただ一時期ネットで話題になっていた動画の話をした。

女の子2人が手に繋ぎながら一緒に飛び降りるってやつだ

おそらくどこかの高い建物2人は手を繋いでフラフラ歩きながらふっと画面から消える

そしてその数秒後にドンと音がする。

多分薬を大量に飲んで2人で飛び降りたのだろう

ルナはそれに憧れると言っていた。

しかし多分飛び降りは怖くて出来ないとも言った。

その場に立ったら足が竦んで動けなくなりそうと、その気持ちは分からなくもない。

それに出来るなら綺麗に死にたいとも言った。

「こんな穢れた私でも

死ぬ時ぐらいは綺麗死にたいの」と

確かに飛び降りならそれは難しいかもと思った。

打ちどころにより頭はぐちゃぐちゃ、全身の骨も折れて綺麗と程遠いだろう。

それから色んな死に方を話した。

首吊り、水死、煉炭等の中毒死、薬を大量に飲む等

でもどれもしっくりくるものはなかった

僕は綺麗な死に方ってのでふと頭に浮かんだのは凍死だった。

「凍死とかならなんか綺麗じゃない?」

何気なしに呟いた。

「あっいいかも…」

ルナはそう言った。

しかし凍死となるとどういうふうになるんだろう?

寒い中にずっといてだんだん意識が薄れていく感じなんだろうか?

あまり現実的では無いようにも思えたけど

ルナは以外にも乗り気だった。

「うん、それがいい

そして2人で寄り添って逝くの!」

少し興奮気味に言った。

僕はその声を聞くとなんだか変に否定するのもはばかられてその願いを叶えてあげたくなった。

「わかった、調べて見るよ

どういう風にすれば逝けるのか」

「ありがとう

お願いします」

そうと決まれば場所も大切極力寒い所でないと

僕は関東、ルナは北陸だったので場所としては微妙な気がする

やはり寒いといえば北海道とかかな?

安易にそう考えた。

後は凍死について調べてみた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る