第21話
浴室から戻ってきた2人は、風呂上がりらしく髪が濡れて部屋着でリビングに戻ってきた。
何故か2人の普通の姿を久々に見たような気がする。
明子ちゃんがテンション高く、亮に話す。
「聞いて亮、朋ちゃんね、ずっとラバースーツを重ね着してたんだよ、しかも赤と黒、私もやりたい!」
「俺のラバースーツと一緒に頼んでみるから」と必死に明子ちゃんを宥めている。
明子ちゃんの興奮が落ち着いたところで本題へ。
彼女たちには仮装大賞に向けて、決まった事と今からやる事を伝えた。
釣られて海へ逃げるカツオ役の朋子も、船上で跳ねるカツオ役の明子ちゃんも両方同意してくれた。
そして、汗を流したばかりの2人にカツオの着ぐるみを着てもらい台車で引っ張る件はさすがに断られた。
これに関しては、後日練習する事になった。
そして、もう一つの演目「明太子ができるまで】について、スケトウダラは亮が作製してくれるが、肝心の魚卵の塊をどうするか。
皆が頭を悩ませる中、俺は事前準備をしていた。
ストッキング素材のもの
タイツ素材のもの
エナメル素材のもの
ネオプレーンゴム素材のもの
いくつかを寝袋のようにして、全身が入れるように作ってもらっていた。
「えー、そんなの私聞いてないよ!」朋子が駄々っ子のように言う。
「だって、言ったら着てみたいと言うと思って」と反論し「みんなの前でどれにするか決めないと朋子が独断で決めそうだったから」と付け加えると、朋子も納得したように大人しくなった。
「さあ、どうする?試着してみる?」
俺はいたずらっ子のような顔で朋子に迫る。
突然、「私が試着します!」と言って立ち上がったのは明子ちゃん。
「朋ちゃん、手伝って」
明子ちゃんは朋子の手を引いて浴室へと行ってしまった。
本人の意向だから問題ないのだが、亮にも確認してみる。
「いいのか、明子ちゃんに試着させて?」
亮は少し笑って「また、あのラバー姿が見れるからいいですよ、本人もやるって言ってたし」と返してきた。
俺は明太子用に準備した寝袋を準備、並べて明子ちゃんの登場を待った。
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