第14話

さて、寝室で練習に戻る。

寝室に入るなり、俺の方をみる朋子。

スリーピングバッグ以外にカツオの着ぐるみがバキュームベッドに半分入った状態になっているのを見て、俺の方を振り返った。

マネキンのようなノッペラボウ同士顔を見合わせていても相手の心情は伝わってこない。


ただ、ベッドの上に準備されたものを見ても、文句を言わないところをみると、朋子はこれから自分の身に起こる事を受け入れたのだと思った。


案の定、「さあ、始めよ!」と楽しそうに言うが、スリーピングバッグを手にして俺の方を振り返って一言。

「スイミングキャップはやめてね」と釘をさす。

俺が頷くと自ら黒いスリーピングバッグへ入っていく。

準備ができたところで、空気を抜いた。

スリーピングバッグで黒い塊となった朋子を今度は赤いスリーピングバッグに入れて再び空気を抜く。


そして抱き抱えると、バキュームベッドから半分飛び出したカツオの着ぐるみの中へと足から押し込んでいく。

朋子は抵抗する事なく、自ら俺が着ぐるみの中へ押し込み易いように協力してくれた。

朋子の協力もあり、上手くカツオの着ぐるみの中へと収まった。


押し込んでいた腕を抜く際、朋子の辺りでバイブのリモコンをMAXでオンにしてから抜いた。

「あ、ちょっと、大和、また逝っちゃうからダメぇぇ〜!」

と言う声に気づかぬフリをして、カツオをバキュームベッドにグイグイ押し込む。

長方形のバキュームベッドの長い縦のファスナーを閉めるとすぐに掃除機でカツオの着ぐるみを真空パックした。


カツオはバキュームベッドの中で何度も何度も絶頂を迎えた。

バキュームベッドの中で真空パックされて自由の利かない体でしばらく細かく跳ねた後は決まって大きくそしてゆっくりと一度跳ねては動かなくなるを繰り返した。


カツオの着ぐるみとバキュームベッドの呼吸穴の間にどうしても隙間が出来て、空気が漏れて真空パックが弱くなる。

その為、都度掃除機で真空パックを繰り返した。

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