第10話

ベッドの上には黒いラバースリーピングバッグに入った朋子、黒いフードの真ん中に赤いノッペラボウがいる。

その横には赤いスリーピングバッグも並べられて用意されていた。


「重ね着して特訓しようと思って、まずは黒を真空パックして、それから赤を着せてから、また真空パックして」

朋子の声がいつもよりくぐもった感じがしたが、お願いされた通りに従う俺。

まずは黒いラバースリーピングバッグを真空パックしてから、今度は赤いラバースリーピングバッグを着せていく。

しかし、滑りが悪い。

潤滑剤を塗ってから、再度スリーピングバッグへ。

今度は滑りもよく、朋子の協力もあり着せる事ができた。

そして空気を抜いていく。

完全に空気が抜けて真空パックされ、再び赤いゴムの彫刻が出来上がった。


「どんな感じ?」

俺の質問に朋子は「いつもよりはるかにキツい、ほとんど動けないよ!」

体を触り、真空パックで潰された乳首に触れてみたが、朋子の可動範囲は小さくなっていた。

あまり動けない生きる抱き枕に添い寝して抱き着く。

さっきよりも朋子の体は熱くなっているように感じた。

体中触っても先ほどより動きは小さい。

朋子の呼吸も乱れていない。

仮装大賞の練習の為とはいえ、リアクションの少ない朋子は俺にとっては楽しくない。


俺はある事を思いついて部屋を飛び出した。

しばらくして、戻ってみると、疲れたのか朋子から寝息が聞こえる。

すごいなぁ、こんなにしっかりと真空パックされているのに、寝る事ができるなんてある意味感心してしまう。

ゴム製の彫刻を触って楽しんでいると、朋子が目覚めた。

「どこへ行ってたの?」

朋子の質問に俺は「ジャジャーン」と効果音をつけて、持ってきたものを見せた。

それは朋子がジムのプールで使っているラバー製の赤いスイミングキャップ。

当然、被せる所は頭ではない。

俺は大きくスイミングキャップを両手で大きく広げた。

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