第8話

カツオの着ぐるみを着て、ベッドから落下した明子ちゃん。

そして着ぐるみから引っ張り出した明子ちゃんの姿に驚きと魅了された亮の顔が忘れられない。

見た目に衝撃を受けたのは間違いないが、その瞬間何かに目覚めたような目をしていた。

それを誤魔化すように、饒舌になりいろいろアイデアを出してくれた。


その後も真空パックされたままの明子ちゃんに、「見えるの?」だとか「呼吸できるの?」など、興味津々で話かけていた。

当然視線は真空パックされた体を見ながら。


一旦、着替えてから4人で改めて打ち合わせをする事になった。

2人が着替えるからと、部屋を出る時の亮はすごく名残惜しい表情をしていた。

その気持ちは痛いほど分かる。


着替えを終えて部屋から出てきた2人。

その姿は明子ちゃんは赤いラバースーツの上からワンピースを着ただけ、朋子もラバースーツの上から部屋着のスエットを着ただけだった。


カップルで並んで向き合って座り、仮装大賞出場について話し合ったが、テーブルの下では互いに手や足を触り合っていた。

そんな中でも、話はまとまり週末のどちらか、うちに集まり実際に着ぐるみを着て練習する事になった。


明子ちゃんはラバーが気に入ったようで、ラバーを着たまま帰ると言い出し、亮も車だから問題ないのでと少し嬉しそうに帰って行った。


帰り際、亮が俺たちに何か言いにくいそうにしている。

俺よりも先に察した朋子は、手提げカバンにラバースリーピングバッグを入れて、明子ちゃんに手渡した。

「2人で練習しといてね!」

明子ちゃんは頷き、亮の顔はぱっと明るくなり帰って行った。


正直、明子ちゃんは朋子の双子の姉なので、ラバーフェチの素質はあると思っていた。

まさか、彼氏の亮までラバーに興味を抱くとは思ってもみなかった。

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