第7話
そこで朋子の双子の姉で同じくグラビアアイドルをしている川添 明子が付き合っている造形師の長元 亮にカツオの着ぐるみを作って欲しいとお願いしてみた。
大きさは彼女の明子ちゃんのサイズでいい事を伝えておいた。
カツオは赤身なので、赤いラバースーツと赤いラバースリーピングバッグも新たに発注した。
仮装にいざ出場となると、破損の可能性も考えて二つ購入した。
全てが整いリハーサルを行う。
亮もカツオの着ぐるみが破損する事を想定して、予備も作って持ってきてくれた。
朋子の準備を明子ちゃんにお願いしていたが、部屋からなかなか出てこない2人。
覗くと部屋のベッドの上にはカツオが2匹。
俺と亮が部屋に入ると、ベッドの上を跳ねる2匹のカツオ。
そして1匹が勢いあまってベッドから落下、俺は慌ててなんとか落下したカツオをキャッチする事ができた。
その光景を見ていた亮が、閃いた。
男性2人が釣り人で1人は釣りあげたカツオを船から落としてしまう。
そして、もう1人の釣り人が釣り上げたカツオは船上で跳ねるのはどうかと提案してくれた。
確かにその方が、ストーリー性があって面白いのではないかという事になり4人で出場する事になった。
そして、釣り上げるのはお互い彼女という事で合意した。
ベッドの上に残ったカツオから赤い手が出てきた後、赤いマネキンがゆっくりとカツオの着ぐるみから自力で這い出てきた。
マネキンはキョロキョロし、すぐにベッドの下に落ちたカツオに気づき、下半身がまだカツオに食べられた状態のまま、ベッドの下を覗き込む。
「明ちゃん、大丈夫?」
「うん、なんとか、ビックリしたぁ」
くぐもった声がカツオから漏れる。
そして、カツオを抱いている俺を見た朋子は一言。
「大和、ナイスキャッチ!」
その後、俺と亮で明子ちゃんを引っ張り出した。
明子ちゃんは初めてラバーを着て、さらには真空パックされて着ぐるみに入ったので自力では出られなかったようだった。
カツオの着ぐるみに腕を突っ込み、明子ちゃんを引っ張り出す際は赤身のようだったが、全て体が出てくるとまるで女性の彫刻の様にも見える。
さすがというべきなのだろう、グラビアアイドルの明子ちゃんのラバーに包まれたボディは俺を魅了するには十分威力があった。
俺は勃起するのを必死に堪えた、亮を見ると同じく前傾姿勢でズボンのポケットに手を突っ込む姿は不自然極まりなかったが、俺を含め誰もそこには突っ込まなかった。
亮は自分の彼女の姿に勃起しつつも、何かを思いついたようだった。
それが【明太子ができるまで】だった。
そしてもちろん双子のグラビアアイドルも2人でカツオを演じるといい出し、【カツオの一本釣り】の演目には釣り人として俺と亮も参加する事になった。
これが仮装大賞に出場するようになった経緯です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます