第8話 陽の光
「条件付きで見逃してやるよ。その前にこの炎を消してくれ」
業獄の焔を消せるのは技の使用者本人の
だが、なかなか消そうとしない。
「七月くん、あれを消しなさい」
低く渋い声で
七月が右手を
納得がいかなかったのか七月は、苦虫を噛み潰したような表情をした。
「条件は一つ。その少年をこちらに引き渡すこと」
「
この2人が逃げるために、俺が変態裸男のもとに行くのか!?
普通に嫌だ。
何されるか分からないし。
「おーい、神代せーんーぱーいー」
遠くから中性的な声が聞こえる。
それと同時に目を疑うものが見えた。
巨大な大剣、人と同じぐらいの大きさをしている。
「おっ!来たか
「こんな時間に呼び出さないで下さいよー何時だと思ってるんですかー」
神代はヘラヘラとしながら笑って誤魔化した。
「で、あの3人を倒したらいいんですかー?」
大剣を3人の方に向ける。
「あいつらとは戦わない、ソレはしまっとけ。あの少年を引き取ったら、俺たちは帰るぞ」
阿波は背につけた
「三尾崎くん。早く行きなさい」
俺は渋々、変態裸男の方へ向かった。
七月の横を通る時、1枚の紙を隠すように受け取った。
「条件の少年は引き取った。鋒さん達に用はない、帰れ」
シッシッと鋒たちを追い払うように神代は手を振った。
去り際に鋒が呟く。
「一つ伝えておく。半吸血鬼は運命に逆らう力をもっている…」
鋒と七月は、来た道を大きな翼を使って飛び去って行った。
「俺はこれからどうすれば…」
「とりあえず付いてこい!」
言われるがまま2人について行く。
どこに行くかは知らされていない。
「先輩〜僕を呼んだ意味あります?」
「なんで呼んだんだっけ?覚えてないな。」
そう言いながら、神代は三尾崎の方をチラッと見た。
「阿波は先に帰ってろ。俺はコイツと話がある」
え…変態裸男と2人きりになるのか…
「はーい。あ、帰る前にコレ」
何かを神代に投げる。
ズボンだ。
「あれ、上は…」
「あ、忘れちゃった」
阿波はペロッと舌を出し笑って誤魔化して、走って帰って行った。
朝日が昇る。
朝日は俺を強く照らしているように感じた。
吸血鬼なのに太陽の光にあたっても死ぬこともなければ、痛くも怖くもない。
これが半吸血鬼なのか。
◇◇◇
「鋒先生、私は納得いきません…」
「大丈夫だ七月くん。あの少年はコチラに必ずくる」
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