始
第1話 血の味
「まっっっっず!!!」
ちくりと刺した歯は抜け、俺から離れる吸血鬼。顔は引きつっている。
俺はそっと目を開けた。
「お前の血不味すぎる」
え?
「お前本当に人間か!?」
え?
「黙ってないでなんか言えよ」
え?
吸血鬼に血を吸われた人は、血を吸い尽くされて死ぬと聞いたことがあるけれど···
「俺···生きてる?」
「当たり前だろ、ほとんど血を吸ってないからな」
確かに体から血が抜ける感覚はあった、採血した時の感覚と似ていた。
「お前、血が不味すぎるんだよ。豚の血より不味いぞ!」
「そんな事言われても···じゃあ、俺は死なないってことですか?」
「死ぬこともないし、殺しもしないよ」
死ぬことも殺されなかったことも、不幸中の幸いか。
1つ思いついたことがある。
吸血鬼になる方法は吸血鬼に直接聞けばいいのではないか。
「じゃ、私は帰るわ」
黒い翼を出し、飛び立つ吸血鬼。
「ちょっと待って、聞きたいことがあるんだけど」
「なに?」
「吸血鬼になる方法を教えてほしい」
俺の事を睨む吸血鬼。
「吸血鬼に本気でなりたいならココに来い」
吸血鬼から1枚の紙を渡され、そのまま吸血鬼は飛び立っていった。
紙には地図が書かれていた、家からそんなに遠くない神社の所に目印がついていた。
すぐにその神社に向かうことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます