第9話
「サキさん、この人は俺の知り合いで
凄いお金持ちで、平岡 英太さんと言いまして
此処から車で20分位の所に住んでいる人です。
平岡さんのフライトシミュレーターは凄いですよ。
今日は俺の家に泊まってください。
サキさんさえよければ、明日行ってみませんか!」
「ええ、行くのはいいですが、
此処に泊らせて頂いても良いのでしょうか……」
サキはレイのような雰囲気を持つ平岡と言う人物に会ってみたいと思う。
「勿論、泊ってもらう事は何も問題ないです」
良治はサキが泊まってくれることを楽しみにしている。
「では、明日の朝こちらから行きますと返事をしてもいいですか?」
「はい。お願いいたします」
良治が明日そちらへお伺いしますと返事を済ませて
今度は良治がゲームを再開して楽しんでいると
良介と祥子たちが帰って来た。
「えっ!良治!まだゲームをしているのか!
サキさんをほったらかしにしていたのではないだろうな~……」
「いえ!今まで私が楽しませて頂きました。
今さっき良治さんと交代した所なんですよ」
「サキさんそんなにゲームされていたのですか!
良治さんに感化されちゃったの!」
祥子は驚いている。
「ウフフ。とても楽しい1日を過ごさせて頂きました」
笑顔で言うサキに
「サキさんはとても空中戦が上手くて
平岡さん以外には負けなしなんだ!
見ていて気持ちが良いぜ!」
良治はまさかサキが平岡さんを撃墜したとは
夢にも思わず最高の笑顔で言う。
「へぇ~そうなのね」祥子は驚きの顔をしているが
サキは良治の平岡さん以外と言う言葉を気にしてはいない。
「あ!それと、明日は俺の知り合いの平岡さんの所に
サキさんと一緒に行く事にしたから
今夜はサキさんに此処へ泊ってもらう事にしたよ」
「おう!それはいい!」
良介も可愛いサキが泊まる事に異存はない。
「良治、とにかく今日1日サキさんと遊んでくれてありがとう。
お礼に、これから晩飯に連れて行ってやるよ。4人で行こう」
「やったぁ~!」良治は飛び上がって喜んでいる。
4人で食事を終えサキはその夜、良介の家に泊まる。
朝になり良介が仕事に行くと
「サキさん、それでは行きましょうか」
「はい。お願いいたします」
良治は可愛いサキが横に座ってくれて天にも昇る気待ちだ。
平岡の家に着き、良治はインターホンに声を掛ける。
「おはようございます。平岡さん、良治です」
「おう!待って居ました。どうぞお入りください」
サキたちが玄関に入ると
「栄太さん、この子が撃墜王のサキさんです」
「えっ!なんだって!!!
操縦していたのが女性だと解ってはいたが
こんなに若くて可愛い子が操縦していたのか?!……
初めまして、平岡 英太と申します」
「初めまして、サキです」
「しかし、
こんなに若い女の子に撃墜されるなんて私ももう年だな!」
平岡は参ったと言う様に両手を頭の上に置いている。
「えっ!サキさん!平岡さんを撃墜していたのですか!
サキさん!平岡さんは元航空自衛隊のパイロットですよ!」
良治は、サキさんがいくら強くても流石に平岡さんには負けただろう
と思っていただけに腰を抜かすほど驚いている。
「良治さん、サキさんは本当に素晴らしい操縦センスをお持ちですよ」
「そうなんだ!……」
しかし良治はまだ信じられないと言う顔をしている。
「昨日はごめんなさい!」サキは謝るが
「いえいえ、貴女はとてもお上手で
撃ち落とされても感動しかなかったです……」
栄太は真顔で言う。
「本当にごめんなさい」サキは穴があったら入りたい気分だ。
「どうぞこちらへお上がりください」
栄太はサキたちを趣味部屋へと誘う。
「あら!……」
部屋へ入るとサキはまるで実機のような
本格的に作り込まれているフライトシミュレーターに驚く。
「平岡さんのフライトシミュレーターは凄いだろ!」
良治はサキの驚く顔をみて嬉しそうだ。
「ほんと!とても素敵ね」
「飲み物を持って来ます。何がいいですか?」
「あ!お構いなく」サキは恐縮するが
「俺は冷たいレモンティーがいいです。
サキさんも同じものをどうですか?」
「あ、はい。それでは良治さんと同じものをお願いします」
サキは恐縮している。
「それじゃ~レモンティーを二つ持って来ますので
チョット待っててくださいね」
直ぐに平岡はレモンティーを持って来ると
「サキさん……サキさんの腕前を
私の目の前で見せて頂きたいのですが
よろしいでしょうか」平岡は悪戯っぽく言う。
「えっ!私の腕前ですか!?」
「ええ、目の前でサキさんの操縦している姿を見てみたいので
お越し頂きました。お願いできますか?」
「はい。解りました」サキは笑顔で言うと
フライトシミュレーターの操縦席へ座る。
「サキさん、ラダーは操縦桿がいいですか?
それともフットラダーがいいですか?」
平岡はラダーの操作方法は2種類あるので聞くが、
サキはジブ星と同じ操縦桿でラダーを操作する方を選び
ゲームをスタートしてもらう。
サキは二人が見守る中、色々な相手と対戦して行くが
その操縦センスを見ていた平岡は
サキを、ある人物と引き合わせようと思う。
続く
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