いざ、初デートへ!

 すがすがしい朝に、目覚まし時計のアラーム音が響き渡る。私は眠い目をこすりながらスイッチを切る。決して爽やかな目覚めではないが、起きないわけにはいかない。なんといっても今日は、トオルくんとの初デートの日なのだ。


 トオルくんというのは、先月付き合いはじめたばかりの恋人の名だ。目を見張るようなイケメンというわけではないが、とても優しいひとだ。だからこそ、今日のデートは絶対に失敗できない。


 顔を洗い、焼いてもいない食パンを口に押し込む。歯を入念に磨き、今日のために用意したピンクのブラウスに袖を通す。雑誌の見よう見まねでナチュラルメイクを施したら、準備完了だ。まだ待ち合わせの時間までかなりあるが、お気に入りのハンカチを鞄に入れたことを確認し、玄関を出た。


 これはデートなんかじゃない、戦いだ。玄関を一歩出た瞬間から、私の戦いは始まった。今日という一日が、何事もなく終わることを心から願う。でも心のどこかで、そんなことはあり得ないとも思っていた。なぜなら、私の中に巣食う「あいつ」が、今にも動き出しそうだったから。

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本性、出てますよ @komame-kurata

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