本性、出てますよ

@komame-kurata

プロローグ

「ごめん、待った?」

「ううん、今来たとこ」

 幾度となく繰り返したやりとり。その一言一句にさえも、神経を張り巡らせている私は、いつまで彼に嘘をつき続けるのだろう。いつまで本当の私を隠し続けるのだろう。

 

 私の中には悪魔がいる。もう一人の私といっても差し支えないそれは、ずっとずっとずっと、私を苦しめてきた。それだけでなく、私の大切な人たちまでも、巻き込んできた。

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