第2話 転生したら草でした。

ある日の朝、俺、松本勇気は普通に会社に向かっていた。


するとそこに階段の上から降りようとしてフラフラしている1人のお婆さんが荷物を持って歩いていた。


「すいません、大変そうなので手伝いましょうか?」


そう俺が声を掛けるとその女性はこう言った。


「私を年寄り扱いしよってからに!お前さんも私を馬鹿にしちょっとか!」


と言う完全に方言混じりの話し方に少しビックリしたが、俺は、しっかりと彼女に説明をする事にした。


「いえ、年寄り扱いというか、さっきから荷物を持ってフラフラしていらしたので、重いのでは?と思い声をかけたのですが、すいませんでした。

では失礼します。」


そう言うと、彼女は、分かったならいいと、言う感じに鼻息を荒らげ歩き出そうとした。


しかし、次の瞬間、彼女は足を踏み外して、階段を転げ落ちそうになった。


だが、俺が話し掛けていた事で、俺が近づけて居た事により、彼女をどうにか落ちないようには止めることが出来たが、彼女の持っていた荷物が何処かに消えてしまっていた。


「アレ?荷物ドコに言ったかの?」


そう言うお婆さんをよそに周りを見て確認しようとすると、ドゴン と言う鈍い音と


「荷物ココにあったんか!」


と言うお婆さんの声が聞こえた。


その後次の瞬間俺は階段を転げ落ちて、意識を失った。


多分その10分ぐらい後だろ、救急車の音が聞こえたので俺は目を開けると、お婆さんが居てこう話していた。


「彼が、私の荷物を取ろうとしたので、彼に私の荷物をぶつけて追い払った!」


と言う証言だった。


まあ、そう見られてもしょうが無いと思うぐらいの事はしてしまったと思ってるし、そうなると思ってたので、携帯を録音モードにしていた事を思い出して、一瞬だけ、近くに居た男性警官に、携帯を渡して、パスコードをやって、教え、俺はもう一度意識を失った。




その後、意識を取り戻すと、そこには俺の写真と線香をやる会社の人達が居た。


「まさか、最後の最後に取引先のお婆さんを警察に突き出して、自分は命を落とすとは思ってもいなかったよ!」


等と上司達が話していた。


そして、知り合いの女の子がとあるアニメキャラの人形を俺の棺に入れていた。


「勇気お兄ちゃんは、今度こそ、誰かを助けるヒーローになれるよね!」


彼女がそう言った瞬間俺は思い出した。


『俺が憧れて居たものは・・・・誰かを助けるヒーローじゃない、誰かの日常を守るヒーローだ。』


そして、俺は真に憧れるモノを指さして言った。


「俺は農家になって、皆の最低限の生活を守ってみせる!」


その願いが届いたのか、俺は異世界転生を成し遂げた。


『でも、まさかこんな姿で転生するとは思っていなかったわ!』


しかし、松本勇気が転生したのは、生物は生物でも、植物で、さらに、一応動けるが、人や生き物を襲う生物、キラープラントに転生する事になった。


『いや、まさか!農家に転生してやる!と思ったら、植物に転生て、まあ、俺の夢は簡単に叶いそうだけど難しそうだなぁー』


そう思いながら、初めての異世界で、今後ライスマンと呼ばれる事になるとは、知らないキラープラント事、松本勇気の植物生が始まった。

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