第4話

愛知についた。(名古屋diamond hall)車から名古屋城が見えて一気にテンションが上がった私たち。みんなで味噌カツ屋さんに入る。たれがしっかりとしみこんでもはや茶色になってしまっているとんかつが目の前に出された。「ん~おいしい!」とユウタさん。みんなつい無言になってしまう。ライブハウスに移動した私たち。ライブのリハーサルをして、本番だ。ライブハウスについているモニターで、会場に集まったお客さんを見て、嬉しくなると同時に安心した。私たちを一目見るために集まった人々。私たちのことが大好きな人々。愛おしい。「お待たせー!」とマイクで叫んだ。ジャーン、とギターがなる。わあっと歓声があがった。涙を流している人もいる。楽しく歌ってはじめてのライブは無事成功した。

大阪(心斎橋big cat)道頓堀のグリコでおなじみのポーズをして写真を撮った。ついでに近くのたこ焼き屋さんではじめてだしのしみたたこ焼きを食べる。「ちょんっ」「あついって!」男子はよくわからないノリをしている。もうすぐ、リンちゃんの誕生日じゃん。お祝いしようよ!とユウタさんからラインがきた。ホテルの一室。ガチャ。何も知らないリンちゃんはパニック状態だ。「え、何々?みんなして。」ケーキを持った私を先頭に部屋に入っていった。「ハッピーバースデートゥーユー♪」とみんなで歌いながら。「え、うそー」これにはさすがのクールビューティー担当リンちゃんも笑ってしまったようだ。安田さんはこの楽しい瞬間をカメラに収めくれた。みんなでベッドの上に座り、ケーキを食べた。「誕生日のリンちゃん、ひとことどうぞ!」「え、嬉しいでーす。20になりましたー。」「いえーい。」「リンちゃん、タメじゃん。」「うわー、やだー。」「やだー、って何??」あはは。車でりくろーおじさんを分けて食べた。

福岡(drum logos)山口から大きな長い橋で関門海峡を越えて福岡に上陸した。ついてすぐ、ラーメンしんしんに行く。ちなみにラーメン大好きなカナデさんは福岡で一番ラーメンを楽しみにしていた。打ち上げではもつ鍋を食べた。そのあと調子に乗った私たちは屋台にも行った。とても盛り上がった夜だった。カナデさんは屋台でまたラーメンを食べていた。

北海道(札幌penny lane24)海鮮丼をみんなで食べた。「行くかー」「待って!アイス食べたい!」「あ、食べたい」私たちは途中でソフトクリームを食べた。美味しかった。次の日はオフだったので、みんなでスノボもした。「私やったことない」とリンちゃん。「良いじゃん、教えてあげるよ」と私はいった。真っ白なゲレンデに集まった私たち。私はリンちゃんにいった。「手つないで一緒に滑ろう?」「えー、できるかな?」「せーの!」「きゃー。」私たちは転んでしまった。青い空に白い雪が舞い上がった。あははは。

広島(club quattro)みんなでフェリーに乗って宮島に行った。フェリーのデッキに出ると、風が頬に当たった。「気持ち~~」というと、ユウタさんも真似して「気持ち~~」と言った。気が付いたら、メンバーみんな出てきていた。安田さんがそれを見て、「良いね」と言って写真を撮った。デッキに仲良く並んだ私たちの写真が撮れた。風で髪型は大変なことになっているけど。宮島について、散策をした。「揚げもみじうまっ」とカナデさん。「うそ。一口ちょーだい」とユウタくん。「良いよー。はい」「んっ!おいしー!!」そして海に浮かぶ鳥居の前で写真を撮った。

香川(高松festhalle)みんなでうどんを食べた。やはり、香川のうどんはコシがあって美味しい。休みの日にはみんなで直島に行った。海沿いにポツンと立っているかぼちゃのモニュメントを見つけた。「なにこれ」「こんなとこにかぼちゃがある。かわいいー!」といつになくテンションの高いリンちゃん。私たちはかぼちゃと一緒に写真を撮った。

宮城(仙台club junkbox)みんなで牛タン屋さんに行った。「はい、チーズ!」とマネージャー。私たちはずんだ餅を片手に写真を撮った。

東京(spotify o-east)最後は東京だ。これで長かったような、短かったような私たちの旅は終わる。そして、きっとまた新しい旅が始まる。私は今まで行った場所を思い出した。バンドメンバーともこの旅で仲が深まった気がする。MCで「これで、『音に乗って飛んでツアー』も終わるね。楽しかったね!」というと、「うん!」「楽しかったねー」とメンバーのみんな。客席から拍手が巻き起こる。ツアーを回っていて気づいたことがある。それは、ライブをするごとにみんなの演奏がひとつにまとまってきているということだ。みんなそれぞれ上手くなってきたのかもしれない。だけどそれ以上にそれぞれのテンポや音が合っていくような感じだ。もともとは四つの音だった私たちがライブをするごとに一つになっていく。

とある居酒屋で打ち上げが行われた。「それでは皆さん!お疲れ様でした!」「ツアー完走おめでとう!かんぱーーい!!」「かんぱーい!」私は初めての親睦会を思い出した。このツアーでメンバーとの仲もかなり深まった気がする。酔っぱらったカナデさんが「てゆーか、俺らって最高じゃね?」と言った。酔っぱらった私は「さいこーだよお」と同調した。カナデさんは「よし!この勢いで武道館まで行くぞー!」とみんなに言った。武道館かあ。夢に見ていた場所。でも行けるかもしれない。この最高のメンバーなら。私たちなら。そう思った。「行くぞー!おー!!」とみんなが揃った。二次会はカラオケに行き、朝まで楽しんだ。

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