第13話フォーメーション

三回戦

試合開始と同時に動いた。アレはアイフォーメーションと落合はすぐに気づいた。アイフォーメーションとは、コート上でIの形になるからついた名前だが、このフォーメーションは難しくましてや、中学生が維持することは困難。しかし、この2人はマスターして挑んできた。試合はシーソーゲームになった。アイフォーメーションをどう崩すかで悩んだ。しかし、見つからなかった。こっちがサーブの時は絶対取りこぼしてはならない。相手のサービスの番になり、放つと同時にアイフォーメーションになった。その時打球は違う軌道だが、コースは真ん中付近だった。そこで落合は、閃いた。サーブを真ん中に打つ時はアイフォーメーションじゃないかって。落合の読み通り相手のサービスで、ボールが真ん中付近にきたら、アイフォーメーションだった。この動きは平衡陣?落合は思った。

すぐに対処出来ないけど、対応なら可能だ。と、心の中で落合は思った。平衡陣ってわかればこっちのもんだ。そして、対応した。しかしながら、相手もそれは想定済だった。相手は陣形を変えてきた。


---あ、アレは逆平衡陣!


落合は思わず、声を上げた。

相手は2人とも、ネット前でかまえた。ひだりみぎどこへ打ってもボレーで返された。力がかかれば左右にコントロールできるし、かからなくとも当たれば相手のコートに落とせて、足を消耗させる事が出来る。しかも、2人となれば超攻撃的でサイドに打っても、返される。そして、防戦一方になり、セットを奪われた。反撃の手立てがない。落合が諦めかけたその時相手のスマッシュが落合の所へ飛んできた。落合は咄嗟にラケットで顔を覆った。


---うわあぁ!

---プレーヤーがボールを怖がってどーすんの?


と、長嶋

そのボールがラケットに当たりでフワリと浮きロブのような形になり、ポイントが取れた。前衛の2人を偶然、越していったのだ。2人とも前にきたから攻撃力は上がったが、後ろがガラ空きで相手がさわれなかった?!落合は考察した。ロブを打てば相手は取れないんじゃないかと。そして、長嶋へ伝えた。


---相手がアイフォーメーションになり前衛が2人になったら、ロブを打って、前へきた2人の後ろからついてやれ!

---分かった。


長嶋が返事した。試合中、長嶋から返事を貰えた。長嶋が言葉にする時は、試合の作戦お以外のことで話す事がないからだ。自分なりの作戦というか、落合の失敗も想定済み的な感じでクラブで1番ミスしないから選ばれたと思っていた。試合中は集中しているから声かけづらい雰囲気だし、声かけても空返事っぽいし、まさか返事が貰えるなんて落合は考察試合そっちのけで、感激してた。そして、ポイントを奪われた。


---お願いだから太陽集中して!


必死に長嶋も声を上げた。


---月、オレわかった気がするアイフォーメーションの弱点。とりあえず、アイツらの背中にロブを打ってやれ!



前にきた2人はフワリと浮き上がったボールを取れなかった。そして、落合長嶋ペアにポイントが入った。平衡陣逆平衡陣はロブが苦手だと落合は知っていたので、


---とにかく相手がフォーメーションを組んできたら、ロブを打て!


落合は長嶋の目を強く見ながら言った。簡単にさせてくれる相手ではないと知っていたが、月なら何とかしてくれるとも思っていた。

試合終了

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