第3話ポール回し

 2回戦

次の相手はスライスが巧かった。スライスで変な回転をかけ打球を曲げてきた。ここまで曲がったのは見た事がなかった。ボールを前試合同様、横に打っでかなり動かしたと思うが、相手は追いついて来た。しばらくラリーが続くが、衰えた打球が来なかった。相手は体力があると思った。球を打上げてしまった。スマッシュがくる。落合は警戒し、下がった。しかし、相手はスマッシュを打ってこなかった。打上げたボールを見てスライスを放ってきた。しかし、球はそれてコートの外に出た。アウトだ。落合は確信した。しかし、曲がってコートに入ってきた。ポイントを奪われた。ポール回しだ。技名はわかっても返せなかった。スライスとポール回しも警戒した。しかし、なかなかやってこなかった。再び打ち上げてしまった。スマッシュが来る。そう思い下がった。すると、またスライスのポール回しをやってのけた。そして、この試合で初めてリードを奪われた。落合は考えた。コイツは横の動きには強いけど、前後の動きは弱いんじゃ…試しに前へ打ってみた。そのボールは返されたが、足元がもたついたように見えた。偶然かもしれない。次も意識的に前後にボールを打ってみたら、明らかに弱い球が返ってきた。すると、相手の球も重く感じ横に打たされた。打ったのではなく、打たされた。それを無理矢理前後に打つと、打上げてしまう。スマッシュがくると思い警戒した。しかし、きたのはポール回しだった。そうか!相手は前にきて放つさスマッシュよりポール回しの方が確実なんだ!スマッシュを打たないんじゃない打てないんだ!落合は考えた。その考えは正しかった。前後に揺さぶると相手は力の抜けたショットを打ってきた。落合はより集中してボールを前後に打った。すると、相手は左右にボールを打つよりも前後の方が格段にパワーが落ちた。これを続けていこう。落合は思った。稀に打ち上げてしまったが、その時はスマッシュじゃなく、ポール回しをやりポイントを奪われた。げまた、ラリーが続いた。そして、打ち上げてしまった。そして、ポール回しがきた。しかし、落合はそれを返しポイントを奪った。


---何度も見たから球の軌道はわかるよ。軌道さえわかれば、こっちのもんだ!

---ほざけ!偶々だろ。

 

試合は大きく進んだ。落合はボールを打ち上げても怖くなかった。ポール回しは完全に見破った。しかし、返球に精一杯で、強いショットが打てていなかった。相手はポール回しが見破られたとわかると作戦を変えてきた。しかし、前後のショットが強くなったわけではない。落合は変わらず前後に打ち続けた。そして、マッチポイントを迎えた。落合はサーブを決めた。相手は返した。落合はその球を打ち上げてしまった。ポール回しが来る。落合は警戒した。そして、来た球に対してスマッシュをはなった。前の試合で強いスマッシュを放った選手の動きを真似てみた。完全に真似はできなかったが、充分強いショットを放てた。相手は打てなかった。

試合終了。

試合が終わるとともに落合はトーナメント表を見に行った。


---あ、長嶋も勝ってる。バカテニスクラブ?変な名前


バカは落合だ。彼は男鹿を読み間違えたのだ。わざわざ声に出しておかしなことを言っている。

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