第2話スマッシュ

初戦

スマッシュが得意な奴と当たった。要は相手にスマッシュを打たせなければ問題ない。ボールを打ち上げなければいいっしょ。と、落合は思った。

しかし、ストロークが重かった。わかっていても、押されて、ボールを打ち上げてしまった。すかさず、相手はスマッシュを放ってきた。まるでライフル銃の弾丸のようだった。このボールを返そうとしたが、空振った。ボールが飛んで行った位置を確認すると、地面にくっきりとボールの跡があった。それに聞いたことのない音を立てていた。何てパワーだ。

落合は驚いた。相手のパワーに押されてラリーが続くと、どうしても打ち上げてしまう。落合は追い込まれた。前後に揺さぶるのは辞めた。左右に打とう。左右へ打つと相手のパワーは弱まりポイントを取りやすくなったが、普段のショットですらパワーがあったので、中々左右に打てなかった。気づけば、追い込まれていた。このままじゃ負ける。そう思った時、長嶋が思い浮かんだ。そうだこの大会で優勝して長嶋に成長した姿を見せつけてやりたいとおもっていた。そうしたら,また組んでくれるんじゃないかと、思った。そう思うくらい長嶋とのダブルスは楽しかった。長嶋が合わせてくれただけかもしれないけど、また組みたいと思った。だからこんな所で負けるわけにはいかなかった。そう言い聞かせたが、そんなに甘くなかった。まだまだだが、相手も横に対応してきた。苦戦してる場合じゃない!対応される前に勝負を決めないと。そう思い相手のパワーに負けないよういつも以上に気合を入れて返した。お互い譲れない為、ラリーが続いた。こっちがポイント取ったと思ったら、相手にスマッシュを打たれてポイントを奪われた。だが、ラリーを重ねるごとにショットの精度がわずかに落ちてる。その隙をついた。序盤では決めず、わざとラリーを繰り返した。すると相手は明らかに疲労の色が隠せなかった。こっちも疲れてはいたが、相手を見る限り、相手ほど疲れてはいない。コーチの言ってたランニングを通常のメニュー以外もやってたかいがあった!そして、何度かスマッシュを食らったが、勝つことができた。

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