第139話母の愚痴
田伏が授業の妨害をしなくなってからは、授業の進行もスムーズになり、効率よく勉強をすることが出来た。2学期の間には体育祭や文化祭などもあってが、はっきり言って中学3年生のことはあまり覚えていない。恐らく受験のことで頭の中がいっぱいだったからではないかと思う。そしてクリスマスが過ぎて、そのまま2学期が終わった。いよいよ受験に向けた総仕上げの冬休みがやってきた。当然冬休み期間中も外に出ることはあまりしなくて、どこかに出かけたというと、母の実家に帰省したくらいである。母の実家では母が
「2年続けて受験生をかかるのもしんどいわ~」
とかこぼしていた。母の実家の叔父と叔母には子供がいないため、そういった苦労をこぼしても理解してもらえるものでもないと思うのであるが、母としては愚痴を聞いてもらいたかったのかもしれない。そして迎えた1987年。いよいよ受験の年がやってきた。大晦日の夜から元旦にかけて実家に帰省したのであるが、新年の挨拶と合格祈願に、母の実家の近くの神社に初詣に行って、元旦の夕方に帰った私たちである。
冬休みがあけて、3学期最初に行われた受験の模試を受けた。前回受けた時よりも点数が上がっており、母も
「もっと早くから頑張ってたら、もっと上の学校に行けたのかもしれんのにねぇ」
とか言っていたが、その学校には、私が勉強したいと思える学科がなくて、私は全然後悔してなかった。目指すのは理科系の学科のある高校に合格すること。自分の好きな強化を3年間思いっきり好きなだけ勉強できると思うと、楽しみでしかなかった。
そしてあっという間に市立高校の受験の日がやってきた。私が希望したのは市立高校の普通科コース。特に大学進学の希望は持ってなかったが、どうせ勉強するなら少しレベルの高いところで勉強してみようという思いもあって、受験した。まずは筆記試験が行われた。かなり難解な問題が出されていて、高校で習うような問題が出されていた。私が得意とする国語・社会・理科は何とか解けたが、数学はかなり難しい状態で、英語もかなり厳しい状態であった。かなり苦戦したが、なんとか記入し終えて、あとは面接を待つだけとなった。面接は筆記試験以上に緊張する。自分がなぜこの高校を志望したのか、その志望理由をきちんとはっきり答えられるか、自分の得意なことや特技、自分の普段からの思っていることなど、きちんと頭の中で整理して、面接に臨んだ。面接では志望理由を聞かれ、私は
「自分の実力がどこまで生かせるのか試したいという思いと、この高校の校風が大変気に入ってることを伝えて、自分は天文科学や地質学に興味があり、この高校に入学したら、天文部で活躍したいという思いも伝えた。そう、この高校には天文部があり、天体観測なども行っているということで、自分の知識が活かせる思った。その後自分の趣味や特技などを話して、面接は10分ほどで終わった。私立高校の受験が終わって、学校に帰ってまずはほっと一息つくことが出来た。そして翌日、別の私立高校を受ける重田が私に
「今日一日制服を貸してくれ」
と言ってきた。重田が来ている制服は学校で決められた政府杭ではなく、校則に違反しているため、重田が着ている格好では、」まず不合格になるということで、私に制服を貸してくれと言ってきたのであるが、私は
「身から出た錆」
だと思って、制服を貸すのを拒否した。あんなだぼだぼなズボンや」極端に丈の短い制服なんて着る趣味は私にはない。あんなださい恰好なんて、まっぴらごめんだと思ったのである。それを着て重田はかなり焦っていた。受験に向かう時間が迫ってきていたのである。困り果てた重田はほかのクラスメイトから制服うぃお借り手受験に向かったようであるが、所詮普段から校則違反をしているというのは面接官にもみられていて、不合格となったというのを後で知った。普段から身だしなみをきちんとしていればこうならなかったわけで、まぁ、自業自得であった。重田が着ていったすかすメイトから借りた制服は、重田とはかなり体格に違いがあって、どこから見てもピッチピチに張り裂けるような感じになっていて、変だったのである。私の制服をたとえ借りて行っても、身長は私と同じくらいであるが、重田の方が太っていたので、やはり変だったと思う。重田はこのほかにもう一校私立を受験しており、そちらはなんとか合格したようである、こうして本格的に受験が始まり、みんなそれぞれ私立高校の受験が済んで、今度は」公立高校の受験が控える。公立高校の入試は3月上旬に行われ、それに向けてみんなラストスパートをしているところであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます