第3話蓄膿症

 1年生当時の私の悩みというと、私には生まれつき蓄膿症を抱えていて、鼻が詰まりやすくしょっちゅう鼻水が出ていたことである。ティッシュが手放せなくて、鼻から息がしにくいので、口呼吸が増えて、どうしても激しい運動をすると息苦しくなって、体育の授業で途中で走るのをやめてしまうこともあった。そのことを理由にからかわれたり、

「そんなこともできひんのかよ」

などとバカにされたりもしていた、私としては自分でできる精一杯のことはしているつもりであったが、他の皆からは

「サボってる」

と思われていたのかもしれない。

 私は皆と同じようになかなか運動ができないことが悔しくて、泣いて先生に訴えたことがある。先生は皆に

「皆一人一人できひんことや苦手なことがあるやろ?リンダ君は鼻の病気にかかっていて、うまく息をすることができひんのやけど、それは仕方がないことなんちゃう?」

と、一人一人苦手なことや出来ないことがあるけれど、それで人を責めたりからかったりしてはいけないことだといって聞かせてくれた。そして私が蓄膿症を治すために、母に連れられて病院に通っていることも話してくれた。そのおかげで、それ以来私はクラスの皆からバカにされたり、からかわれたりするこてゃなくなっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る