第7話 新たな手がかり
俺は急いで電話を取る。
玲斗からだった。
俺「玲斗か!?」
玲斗「あ……ぁ…」
俺「どうした!?」
玲斗「…助け……く……れ」
玲斗の声はよく聞き取れなかった。
だが助けを求め俺に電話したんだろう。
俺「今どこにいるんだ!?」
玲斗は質問には答えず言った。
玲斗「お…前……あの…サイ…ト見……だろ」
俺「あぁ!」
玲斗「これ…だけ伝えて…お……く…サイト…を書い…た……は俺…だ」
俺「!!」
玲斗「それ……であの…呪……師は……お………前の先……祖だ」
俺「………!?」
そう言い、電話は切れた。
こちらから何度もかけ直したがつながることは無かった。
外はもう薄暗かった。だが俺は警察署へ全力で走った。何故か泣きそうだった。 昨日まで笑っていたあいつが今は命が危ないかもしれない。それなのにこんな事しか出来ない自分がどうしようもなく悔しかった。
あのサイトは玲斗が書いたんだろう。あのサイトが投稿されたのは8時だった。恐らく玲斗は俺から離れたあと何かあり、誰かに助けを求めたんだと思う。
あの最後の文章。あれは玲斗が本心から助けて欲しくて、でももしかしたら玲斗に危害もしくは危険な目に合わせようとしている相手にバレるかもしれない。
だから、頭文字で一か八かの賭けに出たんだと思う。
でも…どうして玲斗はあんな情報を手に入れる事が出来たんだ……?
警察署に着いた。
俺は心底驚いた。中には玲斗の母親がいたからだ。
向こうもびっくりしたような顔をしていた。
玲斗母「海君……!」
俺「玲斗のお母さん……!」
俺は警察と玲斗の母親に全てを話した。電話の内容のこともサイトのことも。サイトのメッセージは言おうか一瞬迷ったが話した。警察は学校側からある程度は聞いていたんだろうが、終始怪訝そうな顔をしていた。
やっと言われた言葉がもう暗いから帰りなさいだった。玲斗の母親は何故か最後俺に謝ってきた。
やり切れない気持ちを抱え家に帰った。
自分の部屋に入る。
俺の祖先が呪術師……?
というかあの日化け猫を見たのは偶然じゃないかもしれない。白猫(神様)は自分の怒りを抑えられたのだから呪術師に対しても怒るのは当然だろう。しかし、自分は封じ込められ出ることはできなかった。
そのため自由に出られるようになった今、呪術師の血筋を引く俺や両親を呪ったのか……。
でも村の子供達は消したりしたのに俺や両親は何も無いんだ?(多少なりともあったが子供達ほどではない)
そしてどうして呪術師が放ったであろう封じ込めの魔術(?)から今になって外れることが出来たのだろう?
……あれこれ考えていたらもうすっかり夜だった。相変わらず玲斗からは何も無い。ただ警察は玲斗を探すと言っていたから無事を祈るしかない。今晩は何事も起きないことを願い目を閉じる。
まぁその日は全くと言っていいほど眠れなかったのだが。
怪物 @lkm67
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