第6話 過去の恨みと怒り

俺は理解が追いつかなかった。それと同時に違和感も感じていた。白猫が村を呪った理由だ。何かもう一つ重大な理由がある気がする。


……そういえば、こんな話を聞いたことがある。

猫は神様に近い存在だとして知られている。もしかしてあの猫はあの山の神様だったのでは?


………なんて、おかしな想像をする。でも否定しきれなかった。


まとめるとこうなった。

・山の神様である猫を子供達は知らずに虐める。

         ↓

・大人達が助け、しばらく世話をする。

         ↓

・何らかの理由で猫は消える(本当にあの猫が神様だったら消えたりすることは可能)

         ↓

・数年後、神様(猫)は怒りで子供達を消す。

         ↓

・その怒りを呪術師が収める。

         ↓

・今その怒りが何故か今暴走し被害が出た。


確かにこれなら辻褄が合わなくもない。これなら昔化け猫が出たというのも嘘ではない。あの日見たのは本当に化け猫だったのか?それになんで今になって怒りが暴走した?  


ここで俺の脳裏によぎる。もしかして…何か玲斗に関係しているのか?


俺はあることに気づく。

……この今見ている一番下のサイト、今朝ネットに載せられたばかりだ……。


それならこのサイトの内容がこの事件と化け猫を引っ付けたかった、ただの野次馬が書いたのか?

……でも今更この内容が嘘だとは思えなかった。


一番下にはこう書いてあった。


「誰かの生んだ怪物は、

かなしいことに、

助けてあげられないのもある。

けれど、僕は助けたいと思った。

てだすけ無しじゃ白猫も可哀想だ。」


……なんか、やけに変な文章だな。よく最後の方に投稿主からのまとめが書いてあるのはよく見るが。

白猫へのメッセージなのか?これ……。



………………!?


その時、俺のスマホが鳴った。

これは野次馬なんかが書いた文じゃなかった。



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