第5話 発端

いや、まさか玲斗が取り憑かれていることはないだろ…と自分に反論するも、嫌な想像が頭から離れない。それに今まで化け猫は何してたんだよ……。

俺はもう一つ調べることにした。化け猫がいつから噂になり、どうやって今までその噂が残っているのか。


そうしたら例のサイト(一番下のサイト)に書いてあった。なんでこんな詳しく書いてあるのかは謎だが見てみた。


どうやら噂になったのは二百年くらい前で、山から化け猫が出たという噂から始まったらしい。本当かは分からないが、化け猫が出てきた有力な情報がこれだった。


化け猫が出てきたと噂になった場所は山だった。

その山は小さく、夏には子供達が虫取りをしに遊びに来るほど、村人から親しまれていた。

8月の始めだった。何処からかやってきた白猫が山に住み着くようになった。とてもきれいな猫だったらしいが、子供達はそんな白猫を虐めるようになった。水の入った桶や網を持って追いかけ回したりしていた。大人達は止めたが子供達は言うことを聞かなかった。


やがて、流石に見かねた大人達が白猫を山から逃がしたらしいが、山の周りには餌も水もなかった。でも白猫は山に再度住みつくことはしなかった。しばらくの間は大人達が子供達に見つからないように世話をしていたらしいが、それから白猫はどこかに消えた。大人達は優しい誰かの家に拾われたことを祈るばかりだった。


数年後、真冬の日だった。子供達が突然行方不明になった。大人達が手分けして探したが見つからなかった。大人達が真っ先に思い出したのは忘れかけていたあの白猫だった。村の村長が白猫の祟りにあったに違いないと言った。


こうして村人達はあの山の麓に白猫の呪いを収めるための神社を作り、有名な呪術師を呼んだ。

呪術師はやはり白猫の呪いがかかっている、このままではどんどんと人がいなくなっていくだろうと言った。

それを聞いた村人達は呪術師に呪いを収めさせ、呪いを封じ込めた物を保管し、厳重に鍵をかけた。


俺はその下に書いてあった文章に衝撃を受けた。


その神社の名は…白獣神社

玲斗の神社だった。

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