第4話 玲斗の秘密

俺は玲斗の神社へ向かっていた。玲斗の神社は俺の家から結構遠く、森の近くにあった。

実を言うと、まだ玲斗の家には一度も行ったことはなく(場所は聞いていた)内心緊張していた。


しばらく歩くと、神社らしき建物が見えてきた。なんだ…?昼間のはずなのにかなり辺りは薄暗く、神社の隣に玲斗の家はあった。中々に古い家で大きかった。

インターホンを押す。少しして中から玲斗の母親らしき人が出てきた。


俺「…始めまして。玲斗君の友達の海です。」


玲斗の母親?「こんにちは。玲斗の母です。いつも玲斗と仲良くしてくれてありがとう。」


……玲斗の母親はかなり疲れているようだった。

恐らく学校から連絡はあったと思うが慌てている様子もなかった。目元には大きなクマ、顔色もパッと見だけでかなり悪いことが分かる。


俺は一番聞きたかったことを言った。


俺「あの、玲斗君はいますか?」


玲斗母「……ごめんね。朝出ていったっきりいないの。」


玲斗母「私達も探したんだけどいなくて……。今警察に言おうか迷っているの。」


俺は失礼かもしれないが聞いた。


俺「…玲斗君から聞いたんですけど叔父さんが亡くなったって本当ですか?」


玲斗の母親はびっくりしたようだったが答えた。


玲斗母「…ええ。」


俺「何時頃見つかったのですか?」


玲斗母「……どうしてそんな事知りたがるの?多分もうすぐテレビとかで分かると思うんだけど…。」


俺「……すみません。でも気になってしまって…。」


玲斗母「別にいいんだけど…。確か3時半ごろだったんじゃないかしら。」


玲斗の母親は信じられないことを言った。


玲斗母「それに、第一発見者はあの子なの。」


俺「え!?」


……流石に怪しまれるかもしれないと思った。でも以外とすんなり教えてくれた。玲斗が第一発見者?朝にあった時そんな素振りは見せなかった。それに第一発見者なら警察の取り調べとかあるんじゃ…?


俺「玲斗君は第一発見者だと聞きましたが何をしに外へ行ったんですか?」


玲斗の母親はそれを聞くと急に表情が変わった。


玲斗母「…分からないわ。………ごめんなさい。用事を思い出したからまた今度ね。」


俺「えっ……。」


そういうと玲斗の母親は急に中へ戻ってしまった。


何だったんだ今の……。でももうこれ以上のことは教えて貰えそうになかったから家に帰り化け猫について調べることにした。


家に戻る。ただいま…と誰もいないはずの家に向かって言う。そのまま自分の部屋に直行し、スマホの電源を入れる。自分が住んでいる街の名前を検索し、加えて「化け猫」と入れる。


いくつかのサイトを漁ってみたが手がかりになりそうなものはなかった。

もうこれで最後にしようと一番下にあったサイトをタップする。


「……嘘だろ?」


こう書かれていた。

・化け猫は夜になると人を一人だけ襲う。

・昼は人間の姿に化け、生活する。


…ここまではどのサイトを見ても同じようなことが書かれていた。


ただこのサイトにはこんなことも書かれていた。

・化け猫は人間に化けると言っても、普通の人に化けるのではなく、誰か特定の一人に取り憑きそのまま取り憑いた人に化け、日中は取り憑くだけで何もせず、人格や意識もその人のもので化け猫に操作されることはない。

ただし、夜になると人格、意識、姿を乗っ取り、化け猫の姿になり人を襲う。


・また、本来の化け猫の姿の色は白色と言われており、取り憑かれた人は白色を無意識にを好む傾向にあるという。


……これが本当かは知らない。なんで今までは何も人が襲われたりする事が無かったのかなど疑問に思うこともある。ただ…俺は思い出した。


玲斗は普段は黒色を着ていたはずなのに白色のウィンドブレーカーを着ていた事を。



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