第3話 あの日見た怪物
あの日……俺はまだ小4だった。
夏休みに入り夜になってもゲームに没頭していた。
深夜一時をまわった頃、外で動物の鳴き声がした。家の横は道路になっていた。そっとカーテンを開けてみるとそこには…
真っ赤な血に染まり、尻尾が2つある怪物が道路の真ん中にいた。
化け猫だったかは分からない。見えたのはたった一瞬だった。消える寸前、真っ赤な顔に異様なくらい光った目が俺を睨んだ気がした。もうその夜は眠れなかった。ずっとあいつの姿が脳内にフラッシュバックして止まらなかった。
両親には話す気になれなかった。どうせ夢だとか言われて終わりだろう。否定してくれた方が楽だったかもしれないが。
それからだった。両親のすれ違いが多くなったのは。最初は流石に偶然だろうと思った。でもその時までは近所に噂されるくらい仲が良かった。
あいつのせいだと確信したのは、俺があの怪物を見た数日後、母親が道路の側に落ちていたと言い動物の骨を拾ってきた。何か事件があったのではと思い俺と父親に相談しに来たのだろう。当然父親は捨ててこいと言ったのだが。それから母親の雰囲気が暗くなり父親と衝突する事が増えていった。
あれから、俺は怪談系の話を他人から持ちかけられるたびに信じてないと言い続けた。ビビりだと思われるかもしれないが、一度でも信じてしまうと頭がおかしくなりそうだった。
そこまで思い出し、 俺は考える。あの時、俺は化け猫に呪われたのか?姿を見たから?本当に化け猫はいたのか?
そもそも化け猫について知らない事が多すぎる。俺は色々なことが聞きたい。だから、とある場所へ行くことにした。玲斗の神社へ。
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