第5話 説明しよう!大学の時間割っていうのは

 今日は夕方からバイトの予定があるが、バイトのシフトまであと二時間ほど暇なので大学で履修する講義について決めようと思う。さっそく大学用のリュックからパソコンと履修の手引き、学習簿を取り出して準備をする。

 どうやら僕のいる学科は前期は24単位までしか履修することができないらしい。一科目は2単位だから科目換算すると12科目上限となる。このうち八割ほどは学科から取る科目を指定されているのか。とりあえず指定された科目で時間割を埋め、残りは何を取ろうか······と思っていると、


「おにーちゃん何やってるの〜?? 」


 琴音がこちらに興味を示してやってきた。ちなみに今日は日曜日なので琴音も僕も家にいる。琴音は土曜日も学校で授業があるらしい······大変だ。


「大学の時間割を決めてるところだよ」


「え! 大学って自分で時間割決められるの?! 」


「全部自由にってわけでもないけどある程度は自由に決められるよ。ほら、これが今のところ決まってる時間割」


 そう言って琴音をこちら側に手招きして呼び、学科指定の科目が埋まった時間割の画面を見せた。


「高校とは違って結構空きがあるんだね〜 あ、午後が丸々休みの日があるじゃん!! いいなぁ〜」


「まぁまだ学科に指定された科目しか入れてないから実際はもうちょっと埋まるけどね」


「ここから他にどんな科目を取るの? 」


「一般教養科目っていう学科のテーマとは関係がない、全学科が共通して取れる科目を選ぶんだよ。これが結構悩みどころなんだよね······」


「なにそれ面白そう!! お兄ちゃんはどの科目を取るつもりなの? 」


「気になってるのは生物学入門と薬学入門かなぁ」


「お兄ちゃんは高校生の時物理と化学選択してたよね? なのに生物学とるの? 」


「高校生の時は受験を意識してたから生物は選択しなかったけど、受験終わった今考えると生物学に結構興味があるんだよな〜 」


「なるほど······受験終わったのに勉強しようと思えるのは私は偉いと思う!さすがお兄ちゃん! 」


「さすがにオーバーすぎるよ琴音······これに関しては単純に知的好奇心かな。受験勉強は ”受かる”ための勉強だったから楽しくなかったけど、これは”知る”ための勉強だからさ」


 大学受験の時は「合格しなきゃ」というプレッシャーがあるせいで”好きな科目”よりも”高得点を狙える科目”の勉強をする必要があったし、そういう勉強法をしないといけなかったからやはり勉強を楽しいとは思えなかった。勉強の楽しさは”知ることによる喜び”や”解けた達成感”にあると僕は思っているからね。そういう点で見れば、一般教養は興味のある科目を選択できるから”知ることによる喜び”を得ることができて楽しく勉強できるだろう。


「受験期のお兄ちゃんほんとに辛そうだったもんね······受験勉強かぁ······したくないなぁ」


「大学行くなら避けては通れない道だからな、しょうがないさ。でも今振り返ってみればあそこまで必死に勉強したことは今まで一度もなかったし、良い人生経験になったと思うよ」


「その思考ができるお兄ちゃんはすごいよ······。そういえば大学には単位っていうのがあるんだね? 難しそう······」


「いや、高校にも単位制度はあるけどな。影が薄すぎてほとんどの高校生は意識してないけど······実際当時は僕も全然知らなかったし」


「え?! ほんとに? じゃあ私も単位気にしといた方がいいかなぁ」


「んー、いや琴音は気にしなくていいと思うぞ。高校生は時間割は学校側が決めるし。単位落としまくったら留年あるけど琴音の成績なら余裕で大丈夫だろ」


「そうかなぁ······まあお兄ちゃんがそう言うなら私は安心だ! 」


 そう言ってふにゃりと笑う琴音。


「勉強がやばそうなら僕が教えるし全然気にしなくていいよ」


 現役で塾講師のバイトして普段から高校生の勉強見てるからな。妹に教えるぐらい全く大変ではない。琴音は理解力が高いから学校の授業を受けるだけでなんとかなってしまうかもしれないが、いざとなったら僕が付きっきりで教えよう。


「あ、お兄ちゃんそろそろバイトの時間じゃない? 時間大丈夫そう? 」


「確かにそろそろ行かなきゃだな。ありがとう琴音、バイト行ってくる! 」


「行ってらっしゃ〜い、頑張ってね!! 」




____________________________________________________________________________

 第五話を読んでいただきありがとうございます!

 経験上、履修についての話がとても詳しくなってしまいました(笑) お話を考えるのって難しいですね······。

 ♡やフォロー、コメントをしていただけるとモチベーションになるのでお願いしますm(_ _)m

 それでは第六話でお会いしましょう!











  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る