けものフレンズ ごー!

!~よたみてい書

かばんちゃんとサーバルのお宝さがし

 ジャパリパークに住むフレンズたちは、普段から楽しく過ごしている。

青々とした草原や澄んだ空気が、彼らの日常を彩っていた。

しかし、時にはちょっとしたウソもフレンズたちの間で飛び交うことがある。


 ある日、サーバルとかばんが博士に会うまでの道中。


 サーバルは不思議そうな顔をしてかばんに話しかけた。


サーバル「かばんちゃん、ねえ、今日は不思議なことがあったんだよ」

かばん「え? 何があったの?」


かばんは少し首をかしげながらサーバルを見つめた。


サーバル「実はね、ジャパリパークの奥に秘密の洞窟があって、そこには、すっごーいおっきな――」


サーバルは両手で宙に大きく円を描いて見せる。


かばんは弱弱しい姿で強い口調で訴えた。


かばん「食べないでください!」

サーバル「食べないよ!」


サーバルもかばんに負けないくらいの声量で答える。


サーバル「それで、洞窟には宝物が眠ってるんだって!」

かばん「えー!? 本当!? それはすごい! 見に行こう!」

サーバル「うん、こっちだよ!」


かばんは大喜びでサーバルに引っ張られるようにして走り出した。


サーバルはかばんの楽しそうな顔を見て、ちょっぴり笑顔を浮かべた。




 洞窟の入り口に到着すると、かばんは目を輝かせて洞窟を見つめた。

しかし、そこにはただの岩が積み重なっているだけだった。


かばん「えっ、どこに宝物があるの?」


かばんが不思議そうにサーバルに尋ねる。


サーバル「あれ? おかしいなぁ、ここにあるはずなんだけど」


かばんは恐る恐る暗い洞窟の中に足を踏み入れていった。


かばん「サーバルちゃん、本当にこの洞窟で合ってるの?」

サーバル「わあぁっ!!」

かばん「うわあぁぁぁぁ!?」


サーバルは暗闇の中、かばんの後ろから大きな声を出す。

サーバルは両手の指を立てながら両腕を大きく広げて、襲い掛かろうとするポーズを取っていた。


かばん「ビックリしたー! サーバルちゃんどうしたの?」

サーバル「あはははは」

かばん「サーバルちゃん、宝物はもしかしてウソだったの?」


かばんは戸惑いの様子を見せた。


サーバルは言葉に詰まり、照れくさそうに笑った。


サーバル「ごめん、ウソついちゃった。でも、かばんちゃんの驚いた顔が見たくてつい……」


サーバルは申し訳なさそうに深く頭を下げた。


かばんは最初は少しふてくされていたが、サーバルが謝っている姿を見て、表情が柔らかくなる。


かばん「まあ、たまにはこういうのもいいよね。ぼくも何が起きているのかと驚いちゃったよ。でも、次からは本当のことを教えてくれる?」


かばんは笑顔でサーバルに言った。


サーバル「うん、約束する。ごめんね、かばんちゃん」


サーバルはにこやかに頷き、二人は笑い合った。

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