第11話 『優波離様の秘密の手記』の続き

 高尾山ハイキングの当日、集合時間の1時間も前に高尾山口駅で待ち合わせをした。

 リエラは黒地にスケルトンのパーカー、革ジャン、ダメージジーンズといういで立ち。

 これじゃあ誰かに見られたら一発でバレる、とひやひやしたが。

 ロータリーを出てきたところに知る人ぞ知る『ホテルバニラスィート』があった。

 巨大なチョコレートケーキの様な建物を見上げて、

「前に原チャでこの前を通った時、何でこんなところに来たのか忘れたけれども、

クリスマスか何かの寒い季節で、こっちは寒いのに、あの部屋の中は暖かくて、

すっ裸でいちゃついている男女がいるんだろうなぁ、って思っていたんだ。

 入ってみようか。

 まだ1時間もあるし」

 とオレは言った。

「えー、又ラブホ?」

「今日はすっごくセクシィーな気分なんだよ」

 部屋に入ると一応あたりを見回す。

 でっかいWベッドの上に浴衣が2枚。

 テーブルの上にはお茶菓子と缶のお茶。

 風呂場を覗くと、ジャグジー風呂になっていた。

 全体として、田舎のモーテルみたいな風情。

 そんなのには大して興味をしめさず、「さぁさぁ」と言うと、さっそくベッドに倒れ込んだ。

「今日はとにかくセクシィーな気分で我慢出来ないんだよ」

 とV系ファッションを脱がす

 またまた、梵字タトゥーに腕輪タトゥー、へそピー、マンピー。

 またか。いい加減飽きたこの体。

 革ジャンやパーカーはベッドの下に散乱していたが、パンティーだけはベッドの上にあるのを確認する。

(あそこまで膣液を広げるには5分のピストン運動が必要だろう。

そこまで持つか。

いささかこの体には食傷気味で。

禁止があればどうにかなるか)

 オレは心の中でお経を唱えつつ、とりあえず勃起しているペニスを挿入してピストン運動開始した。


 ブリッ  ブリッ  ブリッ   ブリッ

 かんじー ざいぼー さーぎょー じん 


 ブリッ   ブリッ ブリッ  ブリッ

 はんにゃー はらー みーたー じーしょー


 ブリッ  ブリッ  ブリッ  ブリッ

 けんごー うんかい くーどー いっさい


 ブリッ  ブリッ  ブリッ  ブリッ

 くーやく しゃりー しーしき ふーいーくう


 やっと5分が経過したぐらいに、フィニッシュ。

 案の定、膣液が1メートル程度のシミを作っていた。

 その上にパンティーが丸まっていた。

「ちょっとぉ、濡れちゃったじゃない。

 これからハイキングだっていうのに」

 とリエラ。

「ちょうどよかった。

 つーか、今日誕生日だろう?

 プレゼントを用意してきたんだよ」

 言うと、ナップサックから包を出して、渡す。

 リエラが包を開けると中からパンティーが出てきた。

 ランジェリーショップで売っている様なセクシィーなパンティーが。

「なぁにぃ、これ」

 パンティーを広げてひらひらさせながら言った。

「誕生日のプレゼント…。

 嘘嘘、本当のプレゼントはこっちだよ」

 言うと、スウォッチを渡した。

 メルカリで落札した二千円のキティーちゃんのスウォッチ。

「あ、これ、いいじゃない」

 とリエラは喜ぶ。

「こうやって、パンティーの後の時計を渡すのは『アニー・ホール』みたいでやりたかったんだ」

「え、なに? 『アニー・ホール』?」

「まあ、そういう映画があったんだよ。

 とにかく、その時計でも、もう十一時近いだろう。

 そろそろ集合時間だから行かないと。

 さあ、早くそれを履いて」

 リエラはセクシーパンティーに脚を通した。

「お弁当どうしよう。

 高尾山口に売っているのかなあ。

 それとも山頂に蕎麦屋とかがあるのかなあ」

「弁当はもう買ってきたよ。

 君の分も。

 今日から物産展だったんだなあ、セレオ八王子で」

「へー、なんのお弁当?」

「それは山頂でのお楽しみだよ」

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