第10話 『優波離様の秘密の手記』の続き

 翌日、金曜日、親が居ないというんで、豊田のリエラの家に行った。

 ツタヤで『ねらわれた学園』を借りて持っていく。

 リエラのの家は、豊田の駅近の分譲マンション。

 昼間共稼ぎの両親は不在だった。

 間取りは3LDKで、リビングダイニングにはダイニングテーブル、ピアノ、

ソファー、50インチの液晶テレビなど、一通りの家具調度品が揃っていた。

「じゃあ、DVDを借りてきたから見ようか」

 言うとオレはソファにふんぞり返った。

 リエラがDVDをセットするとすぐに映画が再生される。

 地球に火の鳥、そしてビッグバンという角川映画のオープニングが流れる。

 いきなり『守ってあげたい』が流れた。

「♪you don't have to worry worry…」

 画面では、ベビードール姿の薬師丸ひろ子が勉強部屋ごと空を飛んでいて、

窓の外には、『アルプスの少女ハイジ』のアルプスみたいな風景がはめ込まれている、

という、スキゾ感たっぷりのコラージュ映像が流れている。

 リエラはどうか、と見てみると。

「うっ」と小さく唸って、ぎゅーっと股を締めていた。

「うっ。ちょっとトイレ行ってくる」

 言うと、リビングのドアを開けて出て行ってしまった。

(出たんだ、膣液が、このオープニングの曲で。

 もう完璧だ)

 とオレは思う。

(完成したよ)。


 その日の晩、梵天はチャットには居なかった。

オレは一方的に報告をタイプした。

優波離:条件付けはバッチリだね

何時でも、ユーミンの曲が流れてくれば濡れる様になったよ

富士森公園の放送であろうと、映画の挿入歌であろうとね

あとは場所を危険なところに移してあのメロディーを聴かせるだけ

そうすると何が起こるか

潮吹きだけじゃあ滑落しないと思ったから、オレは特別な仕掛けを考えたよ

へへへ

どんなお仕置きをするかは乞うご期待だね

又リポートするよ

へへへ

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