10針目「いつものとは違う時」
「時ちゃんおはよ〜!」
学校に向かっていると、後ろから風さんが話しかけてきます。
私は振り向いて今にも瞑ってしまいそうな目を擦りながら何時もより小さな声で挨拶をします。
「おはようございます、風さん」
「ありゃ?時ちゃん眠たそうじゃん、何かあったの?」
「少々やる事がありまりましてね....それで寝るのが遅れたんですよ」
私がそう言うと風さんはびっくりします。
「そんなことあるんだ!?珍しい...」
私は「アハハ、確かにそうですね」と返事して、不意に疑問が湧き出たので風さんに聞いてみました。
「そういえば昨日、お友達と遊ばなくてよかったんですか?」
私がそう言うと彼女は、「大丈夫、大丈夫家に帰って一緒にたっくさん会話し、その時にちゃんと遊ぶ予定も決めたし」と言って笑顔を向けてくれました。
「なら良かったです」
私はそう返事した後、前向いて歩きます。
「ねぇねぇ時ちゃん」
「なんですか?」
「今日も一緒に帰っていいかな?」
「急ですね、別に大丈夫ですよ。貴方は何を言っても来ますでしょうし」
「よくわかってる〜!」
そして、私と風さんはゆっくりと学校の向かいしました。
学校について私は荷物の生理を終わらせると、まだ二人しかいない教室で風さんに昨日の夜作ったプリントを渡します。
「なにこれ?」
「英語が苦手そうだったので、手助けになるかなと勝手に作った物です、ご自由にお使いください」
私がそういうと、風さんは何故か顔をニヤニヤさせて言います。
「ちゃんと見ててくれてたんだ~?」
「そうですね」
「恥ずかしがろうよー、そこはさー!」
私が返事をすると風さんは、そう言いながら抱きついてきました。
「離れてくれませんか?勉強したいんですが」
私はそう言いますが、風さんは「デレてよ〜」と言って離してくれなさそうです。
私はどうしようか迷いましたが、結構はまぁいいかと思ってしばらくそのまま抱きつかれていました。
「少しも構ってくれなじゃん」
「面倒くさそうなので」
「そんな事言わないでさー!」
そう会話していると、同じクラスの女子生徒が入ってきました。
「おはよ....ってどういう状況?」
「聞いてよー、時ちゃんが構ってくれないんだよ〜!」
風さんがその女子生徒にそんな事を言うと、その女子生徒は少し立ち止まり、私に聞いてきます。
「...構うんですか?」
「構いませんよ」
「構え!」
とりあえず私は、「構え!かーまーえー!」と言っている風さんようやく外して自分の席に戻ります。
「むぅ....」
「それでは勉強がありますので」
私はそう言って私は自分の席に向かって座ると、勉強を始めるようとノートを取り出そうとしましたが眠気が襲って来ます...が私は耐えてつつも準備を終わらせ勉強を始めるのでした。
「旅ちゃんって時間さんと仲良いの?」
「うん仲良いよー」
「へぇ....ねぇねぇ!時間さんって彼氏とか、好きな人とかいるのかな?」
「何でそうなるの...?いい人かどうか...とかじゃなくて?」
「え?ほら時間さんって顔いいし見た目もいいから、そういう恋愛関係あるのかなって!」
「無いと思うよ?私が聞いてないだけだけど」
「もったいないねー」
何故か風さんとその友達さんとの会話が気になった為、ありがたいことに朝のHRまでは集中して勉強をすすめる事が出来ました。
なんで会話が気になったのかは、本当に分かりませんが...
現在、授業があってるのですが....
眠いです...
でも、頑張って起きとか...な.....いと....
「と....時ち.......ちゃ.......時ちゃーん?」
「ん....ふぅ...さん?おはよぅ....ございます....」
私は風さんの声が聞こえたため、ゆっくりと挨拶をしながら目を開けます。
「もう2時間目始まるよ?」
「ん...分かりました、教えて下さりありがとうございます」
私はそう感謝をして、風さんの顔をみます。
「ん?どうしたの?時ちゃん」
「いえ、気にしないでください....?」
「何か体調悪かったりする?」
「いえ...」
私はそう否定して次の時間の準備をします...が...
(風さんってあんな可愛い顔立ちしてましたっけ...いやいや!なに考えてるんですか私!?)
頭の中では変な事がぐるぐる回っています、本当にどうなってるんですか私...
とりあえず、私は次の時間の準備を終わらせると、とあることに気づきます。
(そういえば、さっきの授業....ちょうどやり方が分からない所でした....風さんに聞いてみましょうかね...?なんか色々言われそうなんですけど)
私はそう自然とそう思いながら、少しほかの事を考えていたらいつの間にか次の授業が始まる時間になっていました。
次の授業は国語だったのですが、国語の授業中、なぜか先生がこちらをチラチラ確認してきましたが、私はあまり気にすることなく授業を受けます。
(というか、風さんもチラチラ見すぎじゃ.....)
私はしばらく視線を感じていると、ふととあることに気づきました。
(寝てる間に変な言ってしまった可能性....)
私はそう頭に浮かぶと授業に集中出来なくなり、次々に寝言の内容が湧き出ては混乱します。最初は暴言等の人に使っちゃいけない言葉ですが、寝る前にはストレスなんて感じてなかったですし...なんなら、個人で言う人もいません。
次は昔やってしまった恥ずかしい事....こちらは多々ありますが、風さんだったらあまり気しないと思ったためこれも違います。
最後に残ったのは...いつも私が言わないような言動です、私の中ではこれが一番確信が持てる内容で、理由は教師でさえも気になる内容という事と風さんがチラチラ見るほどだからです...多分ですけど、1+1=2馬鹿っぽい事をずっと言ってたに違いありません。
私は頭の中でその恥ずかしさと戦いながらも、今回はねること無く授業が終わりました。
(集中は出来ませんでしたが....)
そして私はなぜか授業が終わり先生に呼び出されました。
「針風さんが寝た、と聞いた時嘘かと思っちゃって授業に集中出来ませんでしたが、意外と大丈夫そうですね」
「私が寝ると思っただけで、そんなにチラチラ見てきます?」
「そういう変化をよく見て接しないといい教師にはなれないのよ?」
「そうですか」
「それじゃ、時間とって悪いわねもう戻っていいわよ」
「心配かけてすいませんでした」
「気にしなくていいのに....まぁいいわ風さんと仲良くね」
先生はそう言って次の教室向かいました。
「え?」
そして私は最後先生が放った一言が頭から離れないまま教室に戻ります。
「時ちゃーん!」
扉を開けた瞬間、風さんが飛びついてきました。
「プリント分かりやすくてすぐ終わったよー!」
「なら良かったです、それ返さずに持ってていいですからね」
「やった!ありがとう!」
そう言って風さんは私から離れると、そのまま話しかけてきます。
「そういえば、時ちゃんって好きな人とかいるの?」
「いませんよ」
私はそう否定すると、頭の隅っこで先生が最後にはなった言葉に着いてぐるぐる考えながらも、風さんと楽しく会話するのでした。
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