8針目「気持ち」
...
今日は早く家を出て学校に着きました、理由は家でやろうとしても、昨日の出来事が邪魔してくるから、学校では大丈夫かなと思ったからです。
そして勉強をしようと準備が終わったのですが....
(進まない....)
こんな事はなかったので困惑しています...いや、こうなってる理由はわかってるのですよ?
昨日の旅針さんの行動のせいだと言うことはわかってるんですよ!
(忘れようと思っても!あの光景が何回もフラッシュバックするんですよ!)
(なんでああなるんですか!もーう!)
(ふぅ....落ち着きましょう....こんな事考えてても意味が無いです)
私は頑張って目の前の宿題に集中します、昨日の分まで頑張らないと!
(よしこんなものですかね?)
少しだけ終わらせて、私がちらっと一旦時計を見ると、そろそろ旅針さんが....登校し....
(なんで旅針さんのこと考えてるんですかー!!)
私は頭を降って今考えている事を忘れるように意識します。
「よし」
私はそうつぶやくと再び机の上に広がるノートに目を向けるのでした。
「時ちゃんおはよー」
不意に声が聞こえました、私はゆっくりと顔を声のした方に向けます。
「はい、おはようございます」
私は笑顔で挨拶します、そして旅針さん笑顔で持ってる物をみて微笑んでしまいました。
「つけてくれたんですねストラップ」
私の目の前にはピンク色の筆箱があって、その筆箱には小さ白猫がコンパスの針をぐるぐる回しているストラップがついてます。
「喜んでくれて何よりです」
私がそう言うと、旅針さんは少し照れながら
「ありがとう!じゃ、勉強の邪魔になったら悪いからまたねー」と言って手を降り、自分の席まで戻ってしまいました。
(なんで、少しでも旅針さんと離れると寂しく感じてしまうのでしょうか...)
(嫌いの相手のはずですのに....)
...気の所為ですよね
私はそう思って、思うようにして目の前の物に集中しま....
「おはよう旅針ちゃん...って何それ可愛い!」
「えへへいいでしょー?友達に買ってもらったんだー!」
(友....達.....)
少しペンを進めます、少しづ...
「あ、そうそう今日帰りにどこか遊びに行こうよ!」
「いいねー!どこ行く」
「え?今日雨降るらしいよ?」
「え?本当?」
私はそんな普通の、いつも通りの会話が何故か気になってしまいます、
いえ、....なんでしょう...どこかそんな会話が羨ましいような気がして...嫉妬でしょうか...なんで嫉妬してるんでしょう、いつもうるさいと思ってただけの会話がなんでこんなに羨ましいと感じるのでしょう、特になんであの子が...いやあの子達が羨ましいと....嫉妬してしまうのでしょう...
(勉強に集中しましょう、会話なんかどうでもいいです)
そうして意識を会話から目の前のノートに移します。なんで旅針さんじゃなくて、その周りの人達に嫉妬してしまったのかが頭から離れないまま...何があっても時計の針が進むようにゆっくりと勉強を進めます。
「みんなおはよう」
しばらくして先生が来たため私は勉強をやめて、急いで机の上にある1ページしか進めれなかったノートなどを片付けてホームルームを受けるのでした。
それから4時間目が終わり昼食時、今日は購買でメロンパンとクロワッサンを買って1人でゆっくり食べます。
(やっぱり美味しいですね)
少し寂しい気がしますが...
気の所為だと思うので、そのまま食べ終わり。いざ勉強の開始....と言いたい所なのですが...何かやる気が湧きません...
(もう気分を変えて読書をしましょうかね?)
というか、最近自分がおかしい気がします...がその疑問をいくら自問自答しても答えは帰ってきません...
多分....その理由が気に食わないだけでしょうけど....
時間は何があっても進み続け、結局あっという間に昼休みが終わりました、ついでに学校も終わって帰りのホームルームです。
(一日が早いような...)
そう思いながら1人で帰ろうと、いつもより早く荷物を纏めてしまったカバンをもって教室から出て帰ろうとします。
「時ちゃーん!一緒帰ろー!」
...嫌な人が来ました、
えぇ嫌な人です、
嫌いな人です、
本当に心から嫌いな人です、
私が心から嫌いな人です、
いちいちこっち来て関わってこようとする....なんで関わってくるんですか!そう思ってしまう人です、
私は1人でいいのです、集中したいのです、なんでこっち来るんですか?
1人で集中したいのに...何回も言ってますよね?
バカなんじゃないですか?
ウザイんですよ...本当に...えぇ...本当に
「時ちゃん?」
喋らないでください、
なんで嫌なはずの人なのに...なんで...なんで楽しいと感じてしまうでしょうか...
私はこれがいいのです...
私は1人で集中して、発見を楽しんで、貴方喜んで欲しくて....
ねぇ...貴方はなぜわざわざ時計の針を動かすのですか?
貴方なぜ、自由奔放に振る舞うんですか?
知ってるんですよ、貴方が私の事が嫌いなの?なのになんで近ずいてきたんですか?
あなたは何がしたいのですか?
もう一度聞きます...何故あなたはそんなにも前だけ見てしまう私を...前に進むだけのような時計の針を動かしてしまうのですか?
(ねぇ、旅針さん....貴方は私と一緒にいて楽しいですか?)
「ねぇーなんで無視するのー」
(私は私は....)
いつの間にか、下駄箱までついていた私が外を見ると雨が降ってました。
「すいません考え事をしてました」
「好きな人とか?」
「ふざけないでください」
あーあ、よくそんなことしますね。そうやって元の時刻に戻すのですね。
....私は
「....あ、傘ないの?」
旅針さんは何かを察したのか、そう聞いてきます。
「そうですね、まぁ濡れてもた...」
「私の傘の中に入る?」
私はその質問に心の中で戸惑いましたが、ゆっくりと言います。
「....お詫びとして受け取りましょうかね」
少しは進めましたかね。
「了解〜ツンデレさんだねー」
私は少し顔が熱くなる感覚を感じながらいいました。
「そうかもですね」
旅針さんは私の返答にびっくりしたのか一瞬固まりましたが「み、認めた?!」と直ぐに言いました、私は少し笑ってしまいながらも
「はいはい、早く帰って勉強がしたいのです早く行きましょうか」と言い旅針さんが刺してくれた傘の中に入り一緒に帰るのでした。
(....落ち着きますね、やっぱり)
「昨日はごめんね」
急に旅針さんが耳もとでそう囁きました。
....「大丈夫ですよ、旅針さ...いえ、風さん」
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