7針目「不運と幸運...?」

「あ、」


日曜日、私が家で勉強をしているとシャーペンの芯が無くなってることに気づきました。

私はあと2個ほど買ってたはずと思い、机の引き出しを確認しましたが....


「ストック....はもう無くなってるんでした」


中はすっからかんで、消しゴムのストックもありませんでした。


「買いに行きましょうかね...」


私はそう言って椅子から立ち上がってロッカーを開いて....

そういえば、昨日外に出たから...外に出る服がないんでした...いえ、制服があるので大丈夫ですか...


そして、とりあえず私は部屋着の上に制服を着て家を出ました、そして文房具を売ってる所まで来たのですが、隣に....


(アクセサリーショップ....)


私はアクセサリーショップを見て、昨日アイスを奢ってくれた旅針さんに、(お返しした方がいいのかな?)とか考えてしまいます。

...とりあえず私は先に文房具を買いに行きます。


「消しゴムと芯と....あ、付箋ふせんも無くなってきたんでした...」


私はそう言ってピンク色の付箋を取りカゴに入れ、レジに向かって行き会計をします。


「あ、また来てくれたんですね」


店員の女性が話しかけてきて、少しびっくりします。


「結構な頻度で買ってい来ますけど、文房具すきなんですか?」


「いえ、勉強をするので...それでよく使い切ってしまうんです」


「なるほど勉強熱心なんですね、頑張ってください!...あ、すいません世間話してしまって」


「大丈夫ですよ」


私がそういうと店員さんは「ありがとうございます」と言い少し頭を下げて商品の値段をいってきます、私は丁度の金額を出し商品とレシートを受け取った後、私は店員さんに「あ....これください」と言いお店から出ました。...少し褒められて恥ずかしかったです。

そして当初書く予定の物が買い終わったため、隣のアクセサリーショップに入りませんでした。


(お返しって...こういうのでいいんですよね?)


私はそう思って手に持ってるふたつの紙袋のうち、ピンク色の小さな紙袋の方をチラチラと見てしまいます、本当にこれで喜んでくれるかという疑問と、そもそも受け取ってくれるかなと思う疑問が混ざりあって、不安でしょうがないです...

そもそも嫌いな人に渡すはずのものなのに...なんでドキドキする、というか...なんというか..この状態は何なんでしょうか...


私は落ち着くために周りを見てみると、丁度いい小さな公園の中にベンチがあったため、そこで落ち着こうと向かいます。


(....落ち着かない)


結論から言いますと、座ったら落ち着くと思っていたこの気持ちは全然落ち着きません。旅針さんのことを考える度、なんか...色んな感情がふつふつ、湧き上がってしまうこのか


「にゃーん」


「!?」


私が声がした隣を見ると猫がいました。猫はじーっとこちらを見てきます。


「よしよし、どうしました?」


私はそう言って猫の頭をゆっくり撫でます...和みます....


「にゃ!にゃ!」


猫は私に懐いたのか頭の上に登ってしまいます。


「ち、ちょっと....!?」


私はびっくりして離そうとしますが、猫は離れる気がないようでがっちり頭の上に乗ってます。

どうしたらいいんでしょう...これ...


「あー時ちゃーん!と猫ー!!」


...旅針さんが来ました。


「ねぇねぇ!この猫ちゃん触っていい触るね!よしよしー」


彼女は私の返事も聞かず私の隣に座り、そのまま私の頭の上にいる猫をなでる言う行動に出ます...ふざけない出ください。


「それで、急にこっち来てどうしたんですか?」


私は私の頭の上にいる猫をなでる旅針さんという、変な光景を無視して言いました。


「時ちゃんが居たからきただけ!」


「そうですか、貴方はいつも元気そうですね」


私はそう言って頭の上にいた猫をようやく外すことが出来て、そのままゆっくりと地面に下ろしました。


「いいなー猫ちゃん懐いてて」


「そうですか?」


私はそう聞き返して、今足元にいる猫の方をみます、猫は私の上にまた登ろうとしているのか、私の足の周りをぐるぐる回っています。


「可愛い!」


「そうですね」


っと、私はそろそろ勉強するため家に帰ろうとベンチから立ち上がろうとします。


「もう帰るの?」


「はい勉強があるので」


私はそう言って去ろうとする前にそういえばと、ピンク色の小さな紙袋を渡します。


「これどうぞ」


「ありがと....え?くれるの?」


「なんでびっくりしてるんですか....ほら昨日のアイスクリームのお返しですよ」


「やったー!時ちゃんからの送り物だー!」


「中身はちょっとした小物ですけどね」


私はそう言って、目の前で喜んでいる旅針さんを見てしまい...何故か微笑んでしまいます。


「喜んでくれて....」


「にゃーん」


急に猫が鳴き声を出してきて私はびっくりしました、いつの間にか猫は私の膝まで昇ってきてそのまま寝ちゃいました。


「....動けなくなりました」


「いいなー」


「良くないですよ...」


私がどうしようかと思っていると「そういえば」と前置きして旅針さんが言います。


「今日は制服なんだね」


「そうですね私服があまりないので」


「可愛いのにもったいない」


「そうですか」


私は適当に返事します。


「ほんとうに可愛いのにさ、もう少しかわいい服とか買おうよ!着てみてよ!」


「はいはいそうですか」


「聞いてる?」


「聞いてますよ」


反応したら色々言ってきそうなのである程度むししてますけど。

というか、早く猫さん起きてください!


「ねぇねぇ時ちゃん」


「どうしました?」


「猫ちゃん増えてる」


「え?」


私がびっくりして顔を自分の膝に向けると子猫がいつの間にか1匹追加されていました。


(ど、どうしたら....)


運がいいことに子猫の方はまだ寝てないようで私はその子を両手で持ち上げますが、子猫はそれが嫌なようで暴れてしまいます。


「あ、危ないですので....ぁ!」


その子猫は私の両手から飛び出すと私の首元ら辺に着地してきて、そのまま胸元に入っていきました。


「あ、ちょっと!中で暴れないでください!」


私は洋服の中で暴れる子猫のせいで体がくすぐたくて....出そうと体を動こうとしますが、寝ている猫がいるので動かどうか迷っていると旅針さんが案を出してきました。


「時ちゃん落ち着いて私が取り出すから」


「わ、わかりました!」


私は旅針さんの案を了承して、落ち着きながら寝制服の第1第2ボタンを取り外すと、旅針さんが制服の中に手を突っ込んで子猫を取り出してくれました。

私が感謝の言葉を言おうとすると、旅針さんは落ち着いた様子でこんな事を言いました。


「こんな感覚なんだね」


「何が...ですか...」


「洋服の中に手を突っ込むの」


「なんですか、その感...」


「と、なんか取れちゃった感覚」


そう言って旅針さんは私の制服から飛び出てる布を指さします。

最初は脳が処理出来なかったですが、起こった事が理解出来ていくたび、私の顔がどんどん暑くなっていき....私はもう色々と限界になって

「あ、あぁ....」

恥ずかしかったり、怒りだったりで顔が赤くなっていくのがわかって....

「た、たた.....旅針さんのへ、変態!」

叫びながら!白い紙袋を手に取って家まで走り去って行きます!


...運がいいのか悪いのか周りに人が余りいなかったのと、いつの間にか膝で寝てた猫が起きてたのは良かったですが!ですが!

なんでこうなったんですか!

旅針さんのバカー!


そしめ家に帰っても(念の為...ちゃんとした物...買った方がいいのかなぁ....)とか考えてしまい...勉強が進みませんでした....

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