5針目「寂しがり屋」
昼休みになり、私は購買でサンドイッチや焼き鯖パンというものを買って食べていると。何時の間にか旅針さんが横にいて声をかけてきました。
「今日も放課後遊ぼうよ〜」
彼女はそう言って、弁当箱からたこさんウィンナーを取り出して私の口元に出してきました。
「...なんですかこれ」
「たこさんウィンナーって知らない?」
旅針さんはそう言い、首を少し傾げてこちらを見てきました。
「いえ、それは知っているんです。私が聞いているのは、なぜ私の口元に、そのたこさんウィンナーを出したのか。と聞いているんです」
旅針さんは私の問いに、「んーとね〜」と一言いうとこう言ってきました。
「食べて欲しいから!」
と、私は「そうですか」と言ってそのタコさんウィンナーを食べます。そのたこさんウィンナーはとても美味しく、ちょうどいい味付けでした。
「美味しいですね、これ」
私がそう言うと旅針さんは、困惑しているのか。「え?え..ぁ...えぇ...」見たいな声を出していました。私はその光景を気にせず、買ってきたものを食べ終わるのでした。
旅針さんは私が食べ終わった時に大きく一呼吸した後、お弁当を食べ終えると急いで片付けて声をかけてきます。
「美味しかった?あのたこさんウィンナー」
旅針さんはそ言って目を輝かやかせ、こちらを見て来たので私はもう一度素直な感想を言います。
「はい、美味しかったですよ」
「良かったー!美味しくできてたんだ!"私が作ったたこさんウィンナー"」
....
正直、これ程褒めなければ良かったと思った事はないでしょう。
(なぜ私はこの人に塩を送ることをしたのでしょうか....)
そう思いましたが、旅針さんは「ねぇねぇ!それ本当!それ本当!味付け大丈夫だった!」とうるさいほど言ってきます。
周りの人は時々こちらの方を見てきては、笑顔を浮かべやってた事に戻ったりを繰り返したりしてきました。
(これは「旅針さんの面倒ごとは私に任せる」という意味ですよね?)
私はそう思うとイライラが少し溜まってきました、なんで私に自分の嫌なことを押付けて来たりするんでしょうか...そんな事を思っていると、旅針さんは今にも飛びついてきたそうな様子で「ねぇねぇ!どうだった?どうだった?」と言ってきました。
私は疲れたように「ちゃんと美味しかったですよ」と一言いって、彼女を何とか振り払おうと、席から立ちあがると。邪魔にならないようスピードを出しつつ避けながら図書室に向かおうとしましたが、結局旅針さんは着いてきやがりました。
私は図書室の前で着いてきた旅針さんを見ると、そのまま教室に移動しようとさらに素早く移動して教室まで帰ってきましたが、やはり後ろにいました。
(離れてくださいよ!)
私がそう思う一方彼女は、ご機嫌なのか笑顔でこちらを見てきます。今の私の顔見えませんか?節穴なんですか?空気読んで他の人の所に行ってください!と心の中で思いましたが、旅針さんにそんな心の声が通じる訳もなく、そのまま旅針さんと昼休みをすごしました。
それから、放課後になり。
私が帰りの準備が終わった頃を見計らったのでしょうか、立ち上がった瞬間、旅針さんが近ずいてきてコーヒー牛乳を渡してきました。
「一緒かーえろ!」
私にコーヒー牛乳を渡したら一緒に帰ってくれると勘違いしてるのでしょうか、この人は。
「まぁ、いいですよ」
私はそう言ってコーヒー牛乳を受け取ると旅針さんと一緒に教室から出ます。
「ねぇねぇ時ちゃん時ちゃん!」
「なんですか?」
「5時間目と6時間目こっち見てたけど、あれなんだったの?」
私はそれを聞いてすぐ聞き返しました。
「そんな事してましたか?」
「え?記憶にないの?時々、私の方をじっと見てきたよ?」
私はそれを聞いて、今日の出来事を思い出しますが、やはりそんな事した記憶はなく...というか、嫌な人の顔をわざわざ見る訳もなく、それを否定します。
「そんな記憶は無いです、気のせいじゃないですか?」
「気のせいじゃないよー!あ、後!今日一緒にあそ」
「遊びません」
何時もの遊ぼうという提案を断ると、旅針さんは「むー」と構って欲しそうに唸りましたが、私は「そんな事しても気持ちは変わりません」といいました。
そして校門を出ると旅針さんは我慢が出来なくなったのか抱きついてきます。
「反応してよぉーー!」
「寂しがり屋なんですね」
「うるさいうるさいうるさーい!反応してよ時ちゃん!」
「反応が面白い良かったので」
(......あれ?そんな事思ってましたっけ?)
「遊ぼうよ〜!」
「他の人とも遊べるでしょう?」
「そうだけど、時ちゃんと一緒に遊びたいの!」
「そうですか」
私はそう言って、旅針さんに少しまま歩きます。
(コーヒー牛乳、そろそろ飲みましょうかね)
私がそう思って、旅針さんから受け取ったコーヒー牛乳を飲もうとストローを指すと、旅針さんに少し飲まれました。
「む...」
「私が買ったものだからいいでしょ?」
「確かにそうですけど....」
「時ちゃんって甘いもの好きなんだね」
「なんですか急に」
私はそう言って少しコーヒー牛乳を飲みます。
「いやー?何でもー?」
「そうですか」
私はそう返事すると、お互い少し黙り歩きます。
(私はコーヒー牛乳を堪能してただけですが)
そしてちょうど私がコーヒー牛乳を飲み終わったころでしょうか、また旅針さんが話しかけてきました。
「そういえばさー、旅針さんって生徒会とか興味無いの?」
「ないですね」
「以外だねー、なんでなんで?」
「私は勉強をしたいだけなので」
私の答えに、旅針さんは「変な回答」と言いましたが、私は聞かなかったことにして歩きます。
「ねぇねぇ、時ちゃん時ちゃん」
「なんですか?旅針さん」
「友達なろう!」
「はぁ....今日の朝言いましたのよね?断ると」
そう言っても旅針さんは、「いいじゃんいいじゃん!友達なろうよ〜!」と言って、また抱きついたりしてきました。
反応なんてしませんが。
「反応してよぉ....」
「わかりましたよ....というか、仮に私と友達になって何したいんですか?」
「特に考えてない!時ちゃんと友達になりたい、それだけ」
旅針さんはそう言って、強く抱き締めてきました。
「旅針さんがスキンシップ大好きという事だけわかりました」
しかし私は動じることなく、そう言いました。私の反応に旅針さんは不満そうにこちらを見てましたが、何か思いだしたかのようにコーヒー牛乳を1つ取り出しストローを指すと私の口の中に無理やり入れてきました。
「む....!?」
びっくりしましたが、ゆっくり飲んでみても、旅針さんは何かをする様子もなく、そのまま私がそのコーヒー牛乳を飲み干しました。
「ご、ご馳走様でした?」
私が困惑しながら言うと、旅針さんは顔を真っ赤にして、自分のバッグで顔を隠しました。
「見ないで....」
「見ませんよ」
少しすると、旅針さんは「もう大丈夫」と言ってバックを持ち直して私の方を見てきました。
「どうしました?」
「なんでもない!」
旅針さんはそう言ってきて、私に寄りかかってきました。私はその行動に何も言わず....心の中で(反応がいいですね)なんて事を思いながらも一緒に家に帰るのでした。
家前について、旅針さんに「今日は遊びませんからね」と言いそのまま家の中に入ります。
私は荷物を置くこともなく、少し玄関でぼーっとした後、何かを探すようにドアスコープから旅針さんが外に居ないか確認して...誰もいないことを確認すると、寂しぃ...なと感じるのでした。
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