4針目「なんで?!」
次の日
私が学校に向かって歩いていると、後ろから声をかけてくる人がいました。もちろん旅針さんです。
「おはよー時ちゃん!今日も放課後一緒」
「嫌です」
「なんでさー!」
彼女はそう言って私に抱きついてきました。
「...!?」
私はびっくりしましたが、隙を見せたら何か言われそうなので無視して歩きます。
「今日も遊ぼうよー」
(この人は何回聞くんですか?ちゃんと断りましたよね?)
「昨日、今回だけど言いましたよね?」
私は少し強めに言いますが、彼女は「昨日は、わざわざ勉強する時間を削って遊ぶんですから早く行きますよーとしか言ってないから、今日も遊べるのかなって...」とか言ってきました。
「1字1句覚えるんですか?あなたは」
「覚えてるに決まってるじゃん!友達からの嬉しい言葉なんだから」
私はその旅針さんの言葉に疑問を持ちます、もちろん覚えてるの所ではありません、「友達」のところに疑問を持ちました。
「友達?何を言ってるんですか?」
「え?」
旅針さんは私の言葉の意味がわからないのか、少し頭を傾けたようでした。
「私と旅針さんは1回だけ、一緒に遊んだだけですよ。なのになんで友達になるんですか?あとそろそろ離れてください」
私がそういうと旅針さんは私から離れると、私の前に来て拍手を求めてきました。
「回数なんて関係ないよ!一緒に楽しめる中なら友達だよ!というわけでこよ握手したら友達の証となるのだー!」
私はその言葉の意味があまり分かりませんでしたが、友達という言葉に少し惹かれてしまいましたが、嫌いな人と友達になる人なんていないだろうと私は旅針さんの握手をせず通り過ぎようとしました。
「え?」
私はそう小さく声を出して固まっている旅針さんを通り過ぎる際、耳元で言いました。
「私には友達入りません、それでは」
そういい放つと、私はそのまま学校向かうのでした。
あれから旅針さんが追いかけてくる事はなく、私はクラスに付くと、ゆっくりと準備をし終わると勉強を始めます。
少しの間勉強していると続々と同クラスの生徒たちが投稿してきます、それと同時に喋り声もうるさくなっていきますが、私は何時もの事だと気にしませんでした。
誰かが窓を開けたせいなのか、大きな風が吹き、見ていた教科書のページがめくれてしまいました。私はそのめくれたページを戻し勉強に集中しようとしますが、上手く進みせん。何故かと自分の中で自問自答していましたが、ふとクラスの中を見渡してみたら答えが見つかりました。
(旅針さんがまだ来て居ない....?)
軽く見渡しただけなので見間違いかもですが、確かにまだ来ていないようでした。
私はこの時心の中に罪悪感が生まれましたが、嫌いな人がいなくてせいせいすると思い治すと、再び課題に集中します。
旅針さんは流石に朝のHRになる前には来たようで、いつの間にか自分の席にいましたが少し下を向いて座っていましたが、私は気にすること無く、朝のHRを始める挨拶をします。
「起立、気おつけ、礼」
「「お願いします」」
「着席」
私はそう言ってすわります。そして担任の先生が今日の事を喋り始めるのでした。
そして
2時間目、今日この時間は国語でした。
私が授業に集中していると、1人がびっくりした顔でこちらの方を見てきました、他の人もそれにつられこちらを見て同じような反応をしました、もちろん先生もです。
私は何だろうと思いましたが、特に気にせずそのまま授業に集中していましたが、どうやら事態は大変なようでとある人は目をぱちぱちさせる人やこちらに手で何かを伝えようとしてきたり...先生も授業が出来ずに何かをしようとしましたが迷ってる様子でした。
私は旅針さんの方を見てみます、彼女もびっくりしたような顔で私を見ています。
「皆さん、どうしましたか?」
私がクラスの皆さんに聞いてると、皆、本格的にどうにかしようと何かを話していました。私は授業中はダメな事だと思いつつ、周りの人話を聞こうとしましたが、ちょうど壁際の席なのと、何故か周りの席にいたはずの人は席を立って避難?をしていました。
私はなんでこんな風になっているのか、皆の視線を観察していると、どうやら私の頭の上に視線がいってるようなので私は試しに、手を上げて頭の上に載せようとした瞬間、手の甲に何かが止まった感触がしましたので、私はゆっくり手を下ろし止まった存在に目をやると蜂でした。
私はその光景に脅える訳も驚く事もなく、隣の窓を少し開け外に蜂を返します。その光景を見た先生はしばらく固まっていましたが、「授業を再開します」といい。そのまま何も無かったように授業が再開されるのでした。
授業後の隙間時間に、私は先生に少し呼ばれていました。もちろん理由はいまさっきあった出来事に着いてです。
「今回は先生も対処出来すにいたのが悪かったけど、なるべく蜂とか危険な物を刺激させないでくださいね?怪我する可能性があるので...」
「わかりました」
「お願いしますね?針風さん」
「はい、心配かけてすいませんでした」
私はそう言って頭を下げます。
「そ、そこまでしなくて大丈夫だから」
先生は焦って否定します。
「あ、次の日授業の準備しなくちゃ!それじゃ針風さん、ちゃんと気おつけるように!」
先生はそう言うと、早歩きしてどこかへ行ってしまいました。
私は話が終わったので教室に戻ると、旅針さんが話しかけてきました。
「大丈夫?刺されてない?」
「見てたのでしたら分かるですね?大丈夫ですよ刺されてないので」
「ならいいんだけど...」
旅針さんは心配しているのか、じーっと私の方を見てきましたが、私は無視して次の授業の準備をしようとすると、周りの人の声が聞こえてきます。「時間さんって、意外と話すのね....」「蜂を外に出す時のあの横顔!めっちゃ良かっよな!」みたいな変な言葉が、いちいち聞こえてきます。
「ねぇねぇ、旅ちゃん旅ちゃん」
私が次の授業の準備を終わらせ、そのままその教科の勉強をしようとした時、話し声が聞こえました。
「時間さんってどんな人なの?」
「えっと、」
旅針さんはちらっとこちらをの事を見ると、その人達に言いました「すごく優しい人」と、私はてっきり変な人や嫌な人と思われてるんだろうなと思っていたため、少し予想外でした。
(少し...嬉しいのは気のせいですね)
私はそう思いながらも勉強をしました。
そして、3時間目の授業は何事もなくが終わり、隙間時間となりました。私は現在、次の授業で使う強化書をもって、理科室を目指しています。
この砂鳥高校では、理科室や家庭科室等の学校施設は全て二校舎にあり、逆に一校舎はクラスや職員室があります。そして一校舎と二校舎を繋ぐ渡り廊下がある作りになっています。
それで私は今、二校舎にいるのですが...目の前にいた人が急に転けてプリントを撒き散らしました。
「大丈夫ですか?」
私が駆け寄ってそう言うと、彼女は「慣れてるから大丈夫だぜ!」と言って転けた時に散らばったプリントを素早く回収するとそのまま音楽室に入って行きました。しかし、まだ16枚程のプリントが床に散乱しており、私はそれを拾い終わると音楽室に挨拶して入ります。
「針風さん?どうしたの?」
「あ、今さっきの人」
「今さっき転けた際のプリントがまだ落ちてたので届けに来ました」
私がそう言うと先生は「そうよね...」と小さく呟くと、そのまま「ありがとう、針風さん」と言ってくれました。一方転けた人は礼儀正しく「持ってきてありがとう」と頭を下げてきました。
「いえ、これくらい大丈夫です。私は次の授業場所に行かなくては行けないのでこれで...」
「ありがとうね」
「ありがとうございます!」
私は音楽の先生に軽く頭を下げて音楽室を出ると、階段をおりて理科室を目指したのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます