3針目「ありがとう」

放課後になりました。

私は周り...特にその中の一人の視線を感じながらも帰る準備をします。もちろんその中の一人とは旅針さんであり、5時間目、6時間目の授業中もこちらを見てきました、まぁ授業に集中してないことを先生に見透かされ怒られてましたが...

っと、バッグに荷物を入れ終わりましたので、私は机の中やロッカーの中を確認し、忘れ物が無いことを確認し終わると、教室から出ます。

そしていつも通り学校を出て帰路に付きましたが....


(尾行されてるような.....?)


私は確認するために歩くスピードを少し早くしてみます。すると後ろから付いてくる存在は急に歩くスピードが上がったことに驚いたのか、なぜそのまま「わっ...」と言って転けました。

....

私は後ろを振り向くと、いまさっき転けた人の元もまで行き話しかけます。


「怪我は無いですか?私の事を尾行していた旅針さん?」


「!?」


私がそう言うと旅針さんは肩がビクッと跳ねたのが見えます。しかし、それは気にせず、私はしゃがんで、念の為バッグから大きな絆創膏をとり出し旅針さんの足を確認します。

やっぱりと言うべきか怪我をしていましたので、水筒の中身がなくなっ時用に念の為持っていた水が入ったベットボトルの蓋を開け、旅針さんが怪我した場所に水を垂らして洗います。その後私のハンカチをその場所に押し当てて少し待ったあと、絆創膏を貼りました。


「これでもう大丈夫ですね」


「....ありがとう」


「どういたしまして」


私はそう言って、後ろを振り向くとそのまま帰ろうとしますが、後ろから旅針さんが疑問を投げかけてきました。


「尾行してた事は聞かなくていいの?」


私は後ろを向くと、旅針さんの疑問に答えます。


「どうせ遊ぶ約束をするためだけに尾行してきたのかなと」


「な!」


旅針さんは私の答えに何かを叫んで、否定しようとしましたが、私はそのままもう1つの考えを言いました。


「もしくは誰かに命令されて....とかですかね?」


「....」


(そちらの答えには黙りですか)


私はその答えに黙ってしまった旅針さんを無視して再び帰路につく前に、後ろの人にこう言いました。


「何回も言いますが。私、貴方と遊ぶ気ないので」


後ろの人からは何の返答も帰って来ないので、私はそのまま帰路につき、しばらくすると、何も起こることはなくそのまま家につきました。

私は門の中にはいり、そのまま鍵を開けようとしましたが。何回言えばいいんでしょうか...また後ろの人にこう言います。


「旅針さん?何回も言いますが、貴方と遊ぶ気はないですからね?」


私はそう言って後ろを振り向くと、やはり旅針さんがいました。


「....だ、だめ?」


彼女はなぜか振り絞るような声を出しながらそういいます。


「本当にこっちが悪者だと感じますね....」


私はそう言って家の扉を開けそのまま入り、一旦荷物を置くと、必要最低限の荷物を取り出します。そして家から出ると、ポカーンとした顔の旅針さんに言いました。


「わざわざ勉強する時間を削って遊ぶんですから早く行きますよ」


それを聞いた旅針さんはぱぁぁぁっと笑顔になっていき、「やったー!」と叫びました。


(なぜか、遊ぶのが楽しみな私がいますが...気の所為ですね)


「どこ行く?どこ行く?」


私は自分の今の気持ちに疑問を持っている間に旅針さんはそう聞いてきました。私は「私はそこら辺詳しくないので、旅針さんのおすすめでお願いします」と言いました。


しばらくして、私は自分の選択に後悔してました。現在、ゲームセンターと言う所で色々やっているのですが....まったくやり方というか面白味が分かりません。くれーんげーむ?とやらの景品よ全然とれませんし....


「ね、ねぇ時ちゃん?」


「どうしました?」


「ぬいぐるみ...どうやって取ってるの?」


私はくれーんげーむでぬいぐるみが景品の物を5回しましたが、2個しかとれず。なんならそれで片手が埋まっていました。


「普通に引っ掛けて取れるじゃないですか??」


私はそう、旅針さんの疑問に答えます。

そんなに変ですかね?ぬいぐるみ2個って。


「私は取れなんだってー!」


「アドバイスしましょうか?」


「お願い!」


それからしばらく、私がアドバイスして旅針さんは15回目の挑戦でようやくクマのぬいぐるみが取れました。


「やったー!」


彼女は喜んでいるのか、ぬいぐるみを抱き抱えると満点の笑顔でこちらを見てきました。

私は「良かったですね」とだけいいました。

そしてゲームセンターで景品を入れる大きな袋を買ってそこにぬいぐるみをいた後。


私は旅針さんに連れられてスターカームネスというカフェに来ました。

旅針さんが言うには美味いスイーツとか、飲み物とか出てくるらしいんですけど....


(メニュー表にスターゲイジーパイ....?)


お店に入り定員に言われてふたり用の席に座り荷物を置いた後。メニュー表があったので見てみたんですが、最後のページがスターゲイジーパイなどを初めてとした、聞くだけで嫌な予感がする名前料理が嫌という程載っていました。

私がメニュー表を見ていると、旅針さんが「今日は私の奢りで1000円以内なら奢るよ~」と言ってくれましたが....正直言って、何がなんなのか分からないんですよね....

本当は嫌なんですが、旅針さんのオススメを頼むことに決めました。


「そうですね...でしたら、旅針さんのオススメでいいですよ、出来れば甘いものがいいですが」


「わかったー!あ!定員さん、えっと〜」


旅針さんが呪文....?を唱え終えると、定員さんが「分かりました」と少し頭を下げると、厨房の定員さんに飲み物と食べ物を伝えに行きました。


「...すごいですね」


私がそう言うと彼女は「何が?」とキョトンとした顔で聞いてきました。


「あの長い商品名言えるのはすごいな、と思いましてね」


「普通じゃないの?」


(どこがですか?)

(あの呪文...少なくとも30文字ぐらいはありましたよね?それを区切ることも噛むことなく言い切るんですよ?どこが普通なんですか?)


「...まぁ、貴方が思うのでしたら、そうなんでしょうね」


私がそう言うと旅針さんは少し顔を傾げましたが、私は無視しました。

とりあえず、少しイラついてる心を落ち着かせるため、気分転換に店の様子を確認します。

内装はちゃんと綺麗ですね、ちゃんと掃除されています。結構、観葉植物とか置いているので、少し自然の中にいるような気分になるようなきがしますね。

っと、周りを見てるといつの間にか定員が旅針さんが頼んでくれた物を持ってきてくれました。


「....」


「どうしたの?」

旅針さんの方には、私と同じパフェといちごのドリンク、一方私の目の前に出てきたのは....コーヒー牛乳とパフェでした。


「....コーヒー牛乳とパフェ?」


私は混乱してる頭を落ち着かせるため、ゆっくりと言いました。


「前パフェ奢るって前言ったからね」


「あ、そうでしたね。それではコーヒー牛乳にしたのは?」


「それコーヒー牛乳じゃないよ?」


そう言われて、「そうなの?」と聞き返しそうになりましたが、何も言わずに初めて飲む飲み物にドキドキしつつも少し飲んでみました。


「確かに、コーヒー牛乳とはまた違うまろやかな味ですね」


「そうでしょー?」


私はパフェも少しすくって食べてみましたが....感想が出ないほど美味しかったです。


「美味しいですね」


「うん!」


何故か旅針さんの目が、前に私の事可愛いと言った時の目だったんですが....。この時の私はそれに気づかず、パフェに集中していました。

そして、お会計を済ませ(流石に全額払わせるのは気が引けたので、パフェ代の500円だけ私は払いました。本人は大丈夫と言って、払わせないようにしてきましたが...)お店を出たあと、旅針さんが聞いてきました。


「遊ぶの楽しかった?」


私はその質問にこう答えました、「ええ、楽しかったですよ」そして「ありがとうございます」と....

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