#006 宇宙の呼吸
「やぁジョニー!」
同級生のサナが声をかけてきた。
サナは太陽系外から来た交換留学生だった。
「やぁサナ!最近どう?」
ジョニーは笑顔で返事し、サナに近づいた。
「最近、宇宙の膨張と収縮について興味深いことを学んだんだ。実際に、私たちの存在もその一部なんだよね。」
サナは真剣な表情で言った。
「そうなんだ、興味深い話だね。宇宙の謎について考えると、人生の意味も深く考えさせられるよね。」
ジョニーは少し考え込んだ後、
「そうだね、私たちが果たすべき役割や意義は、宇宙の摂理とも繋がっているのかもしれない。」とつぶやいた。
宇宙は膨張し続けていると1920年頃の地球の学者達が言った。
しかし、今では誰もが、その反対に宇宙のすべての物質が収縮していることを知っている。
すべての物質は、いつかその自身の質量に飲み込まれて消失する。
時間は加速していく。
サナの言葉に心を動かされたジョニーは、この不可解な真理について深く考えるようになった。
宇宙の収縮が意味するものは、すべての物質が最終的に一点に集約され、消滅することだ。
もし宇宙が無限の寂しい空虚になるのなら、私たち人類の存在にも意味はないのだろうか。
しかし、サナによれば収縮は終わりではなく、新しい始まりの兆しでもあるという。
物質が極限まで圧縮されると、新たなビッグバンが起こり、次の宇宙が誕生するのだそうだ。
この膨張と収縮の循環が永遠に続くという考え方だ。
「消滅と再生の連鎖さ。だからこそ、私たちひとりひとりの行動が重みを帯びてくる。
今この瞬間に私たちが何を為すのか、それが次の宇宙に影響を与えるってわけ。」
とサナは言った。
ジョニーは宇宙の神秘に想いを馳せながら、人生に対する新たな覚醒を感じた。
一つひとつの選択が、かけがえのない意味を持つ。
私たちの存在が、この永遠のサイクルの一部であることを自覚すれば、日常が新しい光を放つに違いない。
サナの言葉を胸に刻み、ジョニーは前を向いて歩き出した。
この宇宙の摂理に賛意を示すかのように、未来へと存在を注ぎ込んでいく決意を、彼の足取りは表していた。
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