第2話 武器を買おう!

今日もアンズは昼頃に起きてきた。

「うぅ、いっぱい寝たけど、まだ眠い~」

 俺達は宿屋の同じ部屋で寝ている。

 とは言っても、エンジェルルームなる小部屋を出してきて、アンズはその中に入り鍵もかけたので、彼女の寝顔を見ることはないのだが。

「遅い! もうすぐ午後2時だぞ!」

「え~、別に、何時に起きようとか決めてなかったじゃん」

「だからって、せめて午前中には起きようよ」

「すみません! 私も散々起こしたのですが、中々起きなくて……!」

 リーがアンズの代わりに謝っている。

「今度から鍵かけずに寝ろ。俺が起こしてやる!」

「え~、やだ~。プライバシーの侵害~」

 そんなこんなで俺達の朝は始まる。


「今日は武器を買いに行くぞ」

「え~、面倒臭い~」

「これから冒険を始めるのに武器は必須だろ」

「ねえ、本気で冒険者になるの~?」

「なるぞ」

「今からでも間に合うから冒険者やめようよ~」

「嫌だね」

 アンズを引きずって武器屋へ向かう。

「へい、らっしゃい! 良い武器揃ってるよ!」

「駆け出し冒険者におススメの武器ってあります?」

「やっぱり勇者の剣かな。王道の剣!」

「剣! いいですねえ!」

 俺は剣を受け取って振ってみる。

「うん。いい感じ!」

「格好いいですね!」

 俺は店主に金を渡し、剣を買った。

 アンズに目線を送ってポーズを取ってみたが、ノーリアクション。

「あっ、そういえば、お前は武器どうするんだよ?」

「あるよ。天使の初期装備、エンジェルアロ~」

 そう言うとアンズの手の中に弓が現れた。

「遠距離武器か! これで冒険のサポート頼むぞ!」

「え~、面倒臭い~」

「じゃあ積極的に戦闘はしなくていいから、危なくなったら手伝ってくれ」

「う~ん、ご褒美くれるならいいよ」

「ご褒美って?」

「ふわふわとろけるパンケーキ」

「分かった」

 アンズの食べ物の好みを初めて知った。

これからは、パンケーキを餌にして働いてもらおう。

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