第37話  カズヤ君⑬

「崔君、俺、やっぱり素人と付き合いたい」

「なんで? 風俗にはまってたやんか」

「風俗は、お金がかかる」

「素人の女の娘(こ)でも、お金は使うやろ」

「なんで? ホテル代だけでええやんか」

「ああ、デート代の予算は無いんやな」


 僕は、この時点で不快になった。こいつは女性をなんやと思ってるねん?


「崔君、ナンパを教えてや」

「なんて声をかけるつもりや?」

「お茶しませんか?」

「古い! そんなんで成功せえへんわ」

「一緒に食事に行きませんか?」

「古い! そんなんでついてきてくれへんわ」

「ほな、なんて言ったらええの?」

「インパクトとコンパクト、ズバリ、“ホテル行きませんか?”やー!」


「ちょっとすみません、一緒にホテルに行きませんか?」

「はあ?」



 こいつ、本当に言いやがった!







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