第8話

 昔、近所の占い師の方からキリスト教でも仏教でもみんな同じことを言ってるんです。と、教えられた。


 確かに、いや、多分、映画「悪魔を憐れむ歌」「エクソシスト」日本では「八つ墓村」辺りかな?


 だいたい、同じような法則があるのかも。


 ユングの高弟フォン・フランツは「悪について」で人が見る悪霊は精神病の異常な見識によるとか書いてあった気がする。


 例えば、精神を病んだ人が何かを見る時、腕がなかったり、足がなかったりと精神病の人が見えてしまう病状が、ただ悪霊に見えていたのだというのだ。


 精神。取り分けて、普遍的な無意識というのがあって、ユングが提唱したのだけど、それは全人類が持つ古代からの無意識だ。


 なので、ユングは普遍的無意識の母なるものや父なるものなどを、原型(アーキタイプ)と言ったのですが、その中で悪魔というのもあって、それも原型。


 悪霊は確かに存在していて、それは人の内的要因。つまりは、精神病とも関連していて、まあ、脳(原型は本能に近い)が見せているようなもの。


 でも、境界線があって、それが意識です。


 固い意識。現代的な意識なら少しは対応できるはずなのが、原型みたいな無意識。


 でも、現代でも精神病は多くて、意識よりも無意識。つまり本能や……思考よりも感情の方が強いから、もし、普遍的無意識がドカンと意識に昇って来たら、意識なんて木っ端みじんになると思う。


 海外だと大地震とかで、略奪が集団で起きたり、サッカーの試合でも、人は何故か暴動を起こしたり、日本ではよくは知らないのですが、昔、何かの試合だか野球? オリンピックだかで、川に飛び込んだりした時があったようです。集団って怖いですが、見方を変えると、全人類皆同じ。仲良くなれるかなあと……話し逸れましたね。


 悪霊は人間の心の中にマジでいるはず。


(夢)

 多分、冬の夜。寒い夜で、ぼくの家の中は暖房が効いているのか。とても暖かいようで、けれども、ぼくはそこにはいなかった。まるで、テレビカメラで映像を見ているかのようだった。

 家の広いリビングで、父母が干しものを幾つかせっせと販売しようと準備をしていた。リビングには干しものがいっぱいに複数のテーブルに置かれている。

 どうやら、家で商売をしようとしているのだろう。

 ぼくは、まるで家が暖かい故郷になるなと。その時に感じた。


 この夢で、ぼくは父母も血塗られた生命力でもあるのだろうと、父母の存在に肯定的になった。

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