第6話

夢 聖と魔の戦い


 200?年

 自分の家のキッチンだが、どこか違う……私は同世代の若者たちと食事をしていた。

 私は、私が近くの白い壁に浮き出たキリストの顔をなにやら不安げに覗いているのに気が付いた。


 すぐにキリストの顔が壁の向こうへと吸い込まれそうになる。

 私は咄嗟に、キリストを助けようとした。ところが、キリスト同様に壁の中に吸い込まれてしまった。


 目を開けると、そこは薄暗い。通路の両脇に水路のある廊下のようだった。私とキリストは廊下の角を曲がり、一番長いと思われる道を進んでいった。そこは、何らかの光源があるようで、足元が仄かに見える。


 私は両脇の水面に目を向けた。どうやら、水面下が光源らしく水中が明るくなっていた。それと、等間隔で複数の生きた人の三つの顔。それは、三つの首と顔だけを頬と頬を合わせる生首だった。不気味なオブジェのようである。


 それぞれ、全ての顔は、目を開けて口から水中で水泡を出していた。


 恐ろしい光景だった。


 前方から背中に無数の触手と所々に黒いペイントが塗ってある。とてつもなく禍々しい姿の何かが現れた。


 私は何故か子供の背格好になっていた。隣のキリストの腰のところにしがみついた。何かからの恐怖はまったくない。闇黒の帝王は、左側の下半身しか見えず。全体は見えなかった。


 キリストと闇黒の帝王の壮絶な戦いが始まった。二人は目に見えない強力な波動のようなもので、激しく衝突し合い。私とキリストは物凄い力で廊下の元の場所まで戻された。


 けれど、キリストは渾身の力で強力な波動を発した。

 闇黒の帝王は、廊下の角の向こう側(奥)まで押し戻されていった。

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