第32話 盗賊討伐
「おはようございます」
「おはようございます。昨夜はゆっくりと眠れましたか?」
「はい。お陰様で疲労も解消されました。朝食をお願いできますか?」
「それは良かったです。朝食を持ってきますので、空いている席に座ってお待ちください」
席に着き、今日の予定について考えていると、朝食が運ばれてきた。大きい器に入ったコンポタージュのようなスープと柔らかいパンが3つ。
パンを一口サイズに千切り、スープに浸してから食べる。とても美味しかったので、パンをおかわりした。
お腹もいっぱいになり、今日も頑張るぞと気合いを入れて、冒険者ギルドに向かった。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢
冒険者ギルドは相変わらず、冒険者達で混雑していた。今日は依頼書版に用事はないので、受付の前の列に並ぶ。
「おはようございます、エミリーさん。盗賊討伐の件についてお聞きしたいのですが」
「おはようございます、アレスさん。盗賊討伐の件についてギルドマスターに確認したところ、アレスさんに任せるということになりました」
「分かりました。早期に解決した方が良いと思いますので、早速行ってきますね」
「十分に気をつけてください。無理だと判断したら、すぐに撤退してください。その場合は冒険者ギルドで討伐隊を編成しますので」
エミリーさんの助言も心に留め、冒険者ギルドを後にする。街道上で襲撃してきた盗賊の一人から奪った記憶を頼りに森の中を進む。
「あれが盗賊のアジトか」
洞穴の前に2人の男がおり、周囲を警戒している。ステータスは街道上で襲撃してきた盗賊達と同程度なので、制圧は容易だ。
「穿て、雷霆の一撃、
『既得のスキルは熟練度に加算されました』
もう一人の男が急に倒れた仲間に「おい!どうした!」と声をかける。そこに
『既得のスキルは熟練度に加算されました』
見張りの男達の死体を回収し、警戒しながら洞穴を進むが、分岐する道はなく、一本道だった。
大きな広間に出る。盗賊達は朝方まで酒盛りをしていたのか、いびきをかきながら寝ていた。これは
『スキル【採掘】Lv.2を獲得しました』
『スキル【畜産】Lv.2を獲得しました』
『既得のスキルは熟練度に加算されました』
5人を殺した辺りで物音や呻き声で盗賊達が起き始める。
「うるせぇなぁ。何かあったのか?って、誰だお前!?」
「おい!敵襲だ!起きろお前ら!」
盗賊達の準備が整うのを待つほど俺は優しくないので、寝ぼけ眼で起き上がる盗賊達を殺していく。
「があっ!」
「ぐはっ!」
「ごがっ!」
「おい!頭に知らせろ!他の奴らはあいつをぶっ殺すぞ!」
「穿て、火の弾丸、
「穿て、岩の弾丸、
盗賊達の中にも魔法が使える奴もいたようだ。
「【魔纏闘鎧】」
スキルを発動し、盗賊達の魔法攻撃を防御する。
「くそ!魔法攻撃が効かない!」
「だったら、人数差で押し切るぞ!」
盗賊達が短剣や槍を携え、攻撃してくるが、俺の【魔纏闘鎧】に阻まれる。そして、俺は【身体強化】も発動し、盗賊達を斬り伏せる。
「ま、待ってーーー」
「や、やめてーーー」
「く、くそがーーー」
『スキル【魔力回復量増加】Lv.2を獲得しました』
『スキル【魔力回復速度増加】Lv.2を獲得しました』
『既得のスキルは熟練度に加算されました』
「随分と遅い登場だな。お前がここのボスだろ?ここにいた部下達はもう死んだぞ」
「てめぇ…派手に暴れやがって。…まぁいい。こっちは3人、お前は1人だ。それでも勝てる気か?」
「そうだな…そこの2人はEランク、お前はDランク。十分、勝機はあると思うが?実力差を理解していないのはお前達の方だろう」
「ははは!何を言ってーーー」
「瞬時に、背後を取れ、
盗賊達の頭の首を斬り落とす。そして、俺が突然消えて驚いている隙だらけの2人も同じように首を斬り落とす。
『スキル【練気強身】Lv.2を獲得しました』
『既得のスキルは熟練度に加算されました』
「さて、戦利品を頂くとするか」
盗賊達の死体を全て回収し、盗賊の頭がやってきた奥に向かう。そこには、今まで冒険者や商人から奪ったであろう強奪品と裸の女性が5人もいた。
「僕はアレス、Bランク冒険者です。冒険者ギルドで盗賊討伐の依頼を受けて、この場所に来ました」
「助けて頂き、ありがとうございます。私達はここの盗賊達に襲われ、ここに連れてこられ…」
「無理に話さなくて大丈夫です。盗賊達に襲撃された時の仲間や家族は…ここに居ないということは」
「はい。皆、目の前で殺されました」
「配慮が足らず、申し訳ありません。ここにある強奪品は回収しようと思います。街まで送り届けますので、そこで家族の遺品などはそのまま持っていってください」
「本当にありがとうございます」
その後、彼女達に衣服を着てもらい、盗賊達が溜め込んでいた5,000,000エルケーを1人当たり、1,000,000エルケーを彼女達に渡した」
「あの…流石にこんなに頂けません」
「気にしないでください。これから、生活基盤を立て直さないといけないでしょうし、僕は冒険者ギルドから報酬を貰えますので」
「この御恩は一生忘れません」
「そこまでのことはしてませんよ」
彼女達と洞穴を出て、【土魔法】で出入口を塞ぐ。これで魔物などが再利用できないだろう。
彼女達と一緒に城門前に転移し、門兵に彼女達の保護をお願いし、冒険者ギルドに報告に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます