呪いの人形りんねちゃん学校に初登校編 呪いの人形(ドール)りんねちゃんVS利賀姉妹
「…………に、兄さん……そ、その、ぶき…………変わった人形(ドール)どうしたの!?」
あからさまに普通ではない人形(ドール)の呪いの視線から、サッと目を逸らすといつも通り無表情な義理の兄の顔を見て不気味な人形(ドール)と言いかけたが、義兄の無表情から何かを察したのか、柔らかい表現に言い換える利賀 寧々子(トガ ネネコ)は人付き合いのできる義妹なのである。
「……え? あ……あぁ、ねねちゃんにはまだ話してなかったな……その……おもちかえ………………じゃなかった……お出迎えをしたんだ」
恐怖でカタカタと震えている寧々子に近づき答えを返す無表情の緋影の視線が一瞬、それは刹那、近づかれ直立不動になっていた寧々子の暴力的な胸部装甲に向いたことを呪いの人形(ドール)りんねちゃんは勘付く。優秀で博識なできる呪いの人形(ドール)りんねちゃんは知っているのだ。
人形 緋影(ヒトカタ ヒカゲ)が実は――――――――巨乳好きであることを!!!!!
今日の朝も巨乳のニュースキャスターの胸をコンマ0.03秒だけチラッと盗み見ていたことに気がつかないりんねちゃんではないのである。偶然? 否、りんねちゃんは確信している。SNSでも巨乳コスプレイヤーの上げた写真がたまたま表示された時、一瞬だけ保存しようかと悩んだ指先を見逃さなかったりんねちゃんなのである。
確固たる確信がりんねちゃんにはあるのである。そして、今、りんねちゃんの中で緋影巨乳説は確定したのであった。
そんなに巨乳がいいのか? といったヤンデレ表情(無表情)を緋影に向けていたりんねちゃんだったが、巨乳がなんぼのもんだと、いつの間にか寧々子の方に顔を向けるりんねちゃん。
すると、セーラー服の真っ赤なリボンが強調され胸の上に乗っかてしまっている寧々子の暴力的胸部装甲が、りんねちゃんの眼前に立ちはだかり目の前の2つの巨塔から、ゴゴゴゴゴゴゴゴッとすごい威圧感と圧迫感が――――――珍しいことに圧倒されている(無表情)呪いの人形(ドール)りんねちゃん。
胸部装甲SSSな自分と超特盛で巨乳、否、爆乳の寧々子とでは勝負にならないと悟った呪いの人形(ドール)りんねちゃんは早々に胸を張って対抗するのを止め撤退を決めた。
無表情ドールフェイスがうなだれ嫉妬と敗北感のぐぬぬな表情に――――――見えなくもない。
「……に、兄さん……この人形(ドール)いつの間にか勝手に……う、動いてない?」
「ねねちゃんまで……人形(ドール)は勝手には動かないから」
先程から寧々子がチラッと人形(ドール)の事を盗み見るたびに、緋影の顔を凝視してたり、こっちに胸を張ってガン見してきたり、落ち込んだように頭が下を向いてうなだれていたりとポーズがいつの間にかコロコロと変わっている人形(ドール)に寧々子は恐怖した。
顔面蒼白で恐る恐るといった感じの義妹の寧々子に対し、緋影は呆れたように抑揚のない声で否定し右腕に座らせているりんねちゃんの方を見ると、人様?の旦那(旦那ではない)を誘惑するとは何事かといった無表情ドールフェイスを怯えている寧々子に向け、優々子以上のプレッシュー放って寧々子に対しこの乳牛女が!!!と威圧していた。
「な? 動いていないだろ?」
「兄さん!! 絶対に動いてるって!! こ、こっち見てるもん!! いつの間にかポーズが変わってるもん!!!! しかも、なんか怒ってるよ!!!!!」
左手でなっといったポーズを取って寝言を覚醒した状態で真顔の無表情で言ってのける義兄に対して、寧々子は寝言は寝ながら言うものとばかり、声を荒げて怯えながら緋影の発言を全否定する寧々子というやり取りを遠目から眺めていた優々子がついに動く。
「………………寧々子が牛乳女で許せないのは確かですが………………やっぱり、そうですよね? ほら、寧々子も言ってるじゃないですか!! そいつは呪いの人形(ドール)なんですよ!! 緋影!!」
寧々子の発言で水を得た魚のようになって緋影たちに駆け寄ってきた優々子が、呪いの人形(ドール)をチラッと盗み見て、なんかしらんけど、りんねちゃんに同調しながら、ビシッと呪いの人形(ドール)を指差しそう言い放っている名探偵顔の優々子に対して、倒したはずの雑魚敵が復活してきたと、呪いの人形(ドール)りんねちゃんは面倒くさそうな表情(無表情)で決め顔な優々子のことをいつの間にか見ていた。
「こ、この呪いの人形(ドール)いつの間にか私の方を見てますよ!! めんどくさって顔で見てきてますよ!! ほら!! 絶対に動いてますって緋影!! 早くお寺か神社に持っていきましょう!! 御焚き上げですよ!! 緋影!!!!!」
そう言われた緋影も無表情で、また、ゆゆ姉が面倒なことを言い出したといった感じになっており、そんな緋影の内心を察したのか、ニコッと天使の笑顔で圧を放ってきた優々子に対して、顔をサッと背ける緋影なのである。
一方、りんねちゃんは煩い雑魚メスは無視して、今は目の前の強敵(巨乳、否、爆乳)のほうだと言わんばかりに、いつの間にか寧々子の方を見ており、恐怖で震えるたびに、ぷるんぷるんなってる寧々子の胸部装甲に殺意を抱くりんねちゃんなのである。
「………ね、ねえ?………こ、この人形(ドール)あ、あたしの胸をガン見して…………な、なんか……お、怒ってない!?」
「……え? い、いや、気のせいだろ」
今度は恐怖から両腕で自身の爆乳を挟んで無意識の巨乳アピールをしながら怯えている義理の妹の寧々子に対して、顔を背ける緋影は無表情で気まずそうだ。
そんな二人のやり取りに対して、再度ものすごい敗北感にぐぬぬ(無表情)となっていた呪いの人形(ドール)りんねちゃんだったが、先ほど復活してきた雑魚雑魚ロリロリ優々子の方をいつの間にか見ていた。優々子のちょっと盛った悲しき胸部装甲を見抜きぺったんだと、無表情ドールフェイスのりんねちゃんは気がくと、モッてそれなら私の勝ちと鼻で笑う(気の所為)。
「こ、この呪いの人形(ドール)今、わわわ、私の!! む、むむむ、む、胸を見ながら嘲笑ってないですか!? こ、こいつ私のこと馬鹿にしてますよ!!!!」
「………………気のせいだと……思いますよ」
なぜか敬語になる緋影は知っているからである。義理の姉の優々子が胸に対してものすごいコンプレックスを抱いていることを………………しかも、ちょっとモッてることも。胸関連のワードは利賀家では禁句なのだ。
「緋影…………いいですか!! 胸なんてものは所詮脂肪の塊です!! あっても無意味なものなのですよ!! わかりますか!!! 緋影!!!」
「………………そう…………ですね」
「緋影!!! 巨乳など、好きな男は愚か者なのですよ!! わかりますよね!! 緋影!!」
「………………ああ…………わから…………ります」
「…………緋影?」
「もちろん、オレは胸なんて興味ないからな安心してくれゆゆ姉今どきの男は胸に興味なんてないからな」
抑揚のない声で珍しく早口な緋影に対してりんねちゃんは悟った、なるほど、優々子のおかげで緋影があの憎き乳牛コスプレヤーの写真を保存しなかったのかと――――――もしも、保存しようものなら、あの乳牛コスプレイヤーを呪わないといけなかったと優々子を見てよくやった貧乳女といった表情のりんねちゃんなのである。
「………………自分も絶壁まな板の呪いの人形(ドール)のくせに………………」
貧乳、貧乳といった呪いの人形(ドール)の視線を察した優々子がぼそっとそう仕返しのごとく呟き、あの呪いの人形(ドール)怒っているだろうなとチラリと盗み見ると余裕の表情を向けている呪いの人形(ドール)に対して、優々子はハッとなるのである。
「こ、こいつ………………自分は人形(ドール)だからって豊胸するために胸部のパーツ変える気ですよ!! 緋影!! こいつやっぱり呪いの人形(ドール)ですよ!!」
「…………ゆゆ姉…………ほんとに何を言っているんだ?」
「…………姉さん…………な、なんかごめんね」
人形(ドール)でごめん♪といった感じの呪いの人形(ドール)りんねちゃんを指差し怒りで喚き散らす優々子に対して、内心、心配になる緋影と、胸が大きくてごめんってなっている寧々子なのである。
「…………ま、まぁ、とりあえず、りんねちゃんの胸はそのままだから安心しれくれ…………ゆゆ姉」
あまりに哀れな義理の姉の優々子を落ち着かせるための緋影のその発言を聞いて、えっ!?となるりんねちゃんは先程の余裕の顔(無表情)とは打って変わって呆然とした表情(無表情)で緋影の顔をガン見していた。
「ふ……ふふふふふ、フハハハッ!!!! ほぉ~ら見なさい!! 呪いの人形(ドール)お前も貧乳なのです!! この貧乳呪いの人形(ドール)!!!!」
完全復活とばかりに、緋影の顔をガン見して呆然(無表情)となっていた呪いの人形(ドール)りんねちゃんを指差し生き生きとイキリ出した優々子に対して、彼女の瞬きという刹那の瞬間に優々子の方に顔を向けて、貧乳に貧乳言われる所以はないと怒りの表情(無表情)で呪いのオーラを放つ呪いの人形(ドール)りんねちゃんなのだ。
「アッゥ!! や、やめてください!! その怖いオーラ出すの止めてください!!!! 怖いですから!! そもそも、毎回、毎回いつの間にかこっちを見るの止めなさい!!!!!」
サッと実の妹の寧々子の背に隠れる優々子は、恐怖で涙目になって呪いの人形(ドール)に喚き散らしており、盾にされた寧々子も怒ってるように見える呪いの人形(ドール)から冷や汗ダラダラと視線を逸らす。
(……な、なんか姉さんとこの人形(ドール)仲良くない? 意思疎通できてるし………………き、気のせいかな?)
先程から謎に人形(ドール)の感情を読み取っている実の姉に対して、やっぱ姉さんは普通じゃないと少しドン引きな寧々子はチラリと呪いの人形(ドール)を見ると――――――ホラー映画なんて足元にも及ばない本物のホラーがジッとこちらを見つめ、そこに存在していたのであった。
呪いの人形(ドール)の視線が訴えていた――――――仲良くない――――――と。そして、寧々子が悲鳴をあげるのは当然のことであった。
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