24 そして生活はつづく(星野源)

 そして生活はつづく/星野源/文春文庫、204ページ



 今ではもう超有名人ですね、星野源。

 俳優業に音楽にと八面六臂の大活躍を見せる、才能豊かな人物。

 そんな彼が今よりもう少し若い頃のエッセイです。


 ユーモラスでかっこつけない、カッコもつかない。

 この人は本当に面白い人だなあというのが一番の感想です。

 自分の姿を飾らないのだろうと思います。


 しょうもないような笑いを交えつつのエッセイは、気楽に読めてちょっとお下品で、にやにやと笑えるおかしさ。

 でもそれだけではなくて、時折すごく深いのです。

 おじいさんの話のくだりでは、ことさらしんみりしました。


 このエッセイの中での星野源は、「ひとり」ということについて思いを馳せることが多いように感じました。

 それが彼の根っこにある感覚なのかもしれません。

 結婚もした今、それはどう変わっていったのでしょうか。

 またエッセイを書いてくれないかな?と思う面白さが随所にあります。


 文庫版のおまけは俳優のきたろうとの対談でした。これも面白かったです。


 緊張を緩ませてくれるし、何より率直に面白いエッセイでした。

 私は特に彼のファンというわけではないのですが、それでも楽しく読めるとても良いエッセイです。

 ファンの人も、そうでない人も、一人の面白い人間としての星野源という人が楽しめる一冊です。

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