23 逃避めし(吉田戦車)

 逃避めし/吉田戦車/イースト・プレス、165ぺージ



 仕事に行き詰まった時や締切直前に、全く関係ないことをするのはすごく楽しい。事態はなんら進展も解決もしないのだけど。

 そんな気持ちにとても共感できる、男のひとり飯エッセイです。


 吉田戦車のマンガであるおかゆねこを読んだ時から、彼は色々料理してみて(おいしいかどうかはともかくとして)実食して楽しむ人なのだと思っていましたが、なるほど予想通りでした。

(ちなみにおかゆねこは猫が色々なおかゆを作るマンガで、作ったおかゆそのものは必ずしもおいしいとは限らないのが面白かったです。)


 献立は郷土色豊かなものだったり、手抜きだったり、逆にやたらと手が込んでいたり……。

 そんな一風変わった料理の様子を、独特のタッチのイラストとユーモラスな語り口で見られるのがとても楽しいです。


 作中では駅弁風おべんとうがパッケージも含めてとても楽しくて好きでした。


 吉田戦車作品が好きな人も、食べ物のエッセイが好きな人も、一読の価値のある一冊です。


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