21 日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ(森下典子)

 日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ/森下典子/新潮文庫、252ページ



 表題からわかるとおり、著者のそばにあった「茶道」というものと、著者自身との関わりが描かれた作品。

 学ぶことの面白さが伝わってくる、とても良いエッセイです。


 なんとも思っていなかったことが、見えていなかったことが、やがてくっきり見えるようになる。同じことを繰り返すうちに。ある日突然、ふと五感に一本の筋が通ったように。

 著者にとって茶道は気づきの感覚を知る、大事なきっかけとなるものだったのでしょう。


 何かを学ぶということ。

 まず形から入って、やがて本当に自力で、身をもって意味を理解していくということ。

 これは茶道だけではなく万事に共通することだと、我が身を通しても思います。


 映画化もされているのですが、やはりぜひこの原作を読んでほしいです。

 文章だからこそ、読書体験でより鮮明に感じられるものもあると思うので。


 ちなみに「日日是好日」とは、来る日も来る日も、楽しく平和なよい日が続くこと。一日一日を大切に生きる心構えのことを言うそうです。


 豊かで、緩やかで、それでいてどこかにしゃんとした気持ちよさを感じるエッセイです。

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