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ずっと黙っていて
誰に何を聞かれても黙っていて
毎日海を眺めていて
黙ったまま
ゆっくりと死んでいけたら
いいなあ
生きることは死ぬことだと
誰かが言っていた
私はどんな風に死ぬのだろう
理想の死に方は知っているが
死に方を選ぶことはできない
自殺すればいいのだろうか
しかし私は黙って死んでいきたいのだ
自殺ほど雄弁な死に方はない
遺書がなくても
世界に向かって演説してるのと同じだ
老木はいつ死ぬのだろう
からからに乾いて
もう死んでいるのだろうか
しかし去年は確かに葉がついていた
今年はどうか
葉が出たら生きている
葉が出なかったら死んでいる
こんな静かな死に方があるだろうか
私は木であればよかった
誰に話しかけられても黙っていて
海を眺めながら立ち枯れていく
私は木であればよかった
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